名探偵コナン | ナノ


1話


春から東京の大学に通うため一人暮らしを始めた。小学生の時までは東京に住んでいたのだが、親の転勤で引っ越しをした。引っ越した先でも、とても楽しく学生生活を送れたと思っている。
このまま地元の大学で進学するのもいいなと思ったけれど、姉の薦めもあって東京の大学をチャレンジしてみた。
そうしたら見事に合格し、通うことになった。
合格でうれしい私とは反対に暗い顔をする姉。

理由を聞いてみると・・・・・・

「転勤が延びたわ・・・・・・」とつぶやき、私の胸の中で泣いた。
東京に転勤になるから一緒に住もうと考えていて、アパートも決めていたようだった。
私一人では心配だということで、東京にいる姉の友達に話をしておくということだった。

「ここが、梓さんのいる喫茶店ポアロ・・・・・・」
姉が送ってきたメールによると、ここで働いているらしい。あっ、そういえば何時に店にいるかどうか聞いてこなかったなぁ。
ちょっとお店をのぞいてみて、梓さんがいなければまた時間をずらしてここにくればいいよね。
よし、と一人意気込み、扉をあけた。

「いらっしゃいませ〜」
聞こえて来たのは男性の声だった。店内を見回し、梓さんを探すがあいにく店にはいなかった。

「誰かをお待ちでしょうか?」
「あ、あの・・・・・・梓さんはいらっしゃいますか?」
よく店員さんをみると金髪のみるからに若い子にモテそうなお兄さんだった。
実際、お店にいた大半は女子高生や主婦の方々だった。

「梓さん? 梓さんなら今買いだしに行ってしまっていないんですよ」
「そう、なんですか・・・・・・」
せっかく来たのに残念だけれど、しょうがない。もう少ししたらまたくればいい。そう思って帰ろうとした。

「梓さんに何かご用ですか?」
「あ、はい・・・」
用があると言えばある。嘘はついていない。姉がこの日に行くよってことを伝えていなみたいだから、会えないのはしょうがない。約束はしていないのだから。

「あの、もう少ししたらまた来ますので! し、失礼しました!」
「あの、あ・・・行っちゃったか」

私は急いでお店から出た。急ぎすぎて最後まで話を聞いていなかったけれど、さっきの店員さん何かをいいかけたような・・・気のせいかな?

あと数時間何をして過ごそうかな?


20180510


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