大学生パロ SS
●月×日カフェテリアにて
彼は大盛のカツ丼を頼み本を片手に器用に読みながら食べていた。
あんな顔しながらこんな器用なことができるなんて・・・
「オイ、ゆめみ。また日記つけてるのか」
「えへ、ばれた?」
向かいに座っているのは幼なじみの牛島若利だ。彼はひとまず箸を置き、私を見た。その目は呆れていた。
「なんか言いたげなんだけど、なにさ」
「・・・・・・いや、お前も学習しないなと思ってな」
「それって私が馬鹿って言いたいの? まあ、そうだけどさ」
何故この大学に入れたのか自分でもびっくりだ。若利は頭もいいし、スポーツ推薦とかもあったし余裕だったけど、一方私は頭が悪かった。
今でもよく白鳥沢で学園生活送れたなと不思議に思ってしまう。
まあ、何もかも幼なじみの若利のおかげだと思う。
「またアイツに見つかって笑われてもいいのか」
「確かに・・・・・・」
アイツとは及川の事だ。この間休み時間に教室で若利日記を書いていたら、音もなく現れ私の日記を取り上げ笑い転げていた。
「ゆめみちゃんまたこんな堅物男と一緒なわけ?」
「堅物男って・・・そうだけどさ、私は生まれてからずっと若利と一緒にいるからなぁ」
「確かに、そうだな」
及川はへぇと相槌を打ち、私の隣に座った。今日は岩ちゃんいないのか。それとも及川が逃げてきたのか。
「じゃあさ、ずっと一緒ってことは老いて死ぬまでってこと?」
「そんな未来のこと分かるわけないだろうが」
うんうん、と私は若利の意見に頷いた。
ふーんと及川は私と若利の顔を見比べた。何か言いたげだったが、喋ったのはお昼買ってくるだけだった。
「ゆめみ、食べ終わったなら行くぞ」
「えっ、置いていっていいの?」
部活の時うるさそうじゃない? と若利に聞こうとしたら入口から岩ちゃんが入ってくるのが見えた。大方及川を探しているのだろう。
「ああ、なるほど」
今日も岩ちゃん大変だな・・・
そんなこんなで大学生活を送っています。
20140612
prev | next