手を繋ぐ
「じゃ、2人ともまた明日な」
じゃあねと私は澤村君に手を振り、別れた。
外は寒く、手袋を忘れた私は手が冷たくなっていた。
「ふー寒い」
ハァーっと私は息を吐いた。目の前には白くなった息が浮かび上がる。
寒いわけだと1人納得しつつ、隣を歩いている孝支を横目で見る。
「ん?」
孝支は首を傾げた。私よりも薄着なのに、寒くないのだろうか。やっぱり部活終わりだからまだ暖かいのかもしれない。
「孝支は寒くないの?」
「俺? そりゃあ寒いよ」
触ってみ? と孝支は手を差し出した。私は恐る恐るその手を触った。
「っ! 冷たっ!」
冷たすぎてびっくりした。下手したら私よりも冷たいんじゃないだろうか。
「ゆめみの手の方が暖かいね」
「そうかなー・・・」
どっちもどっちな気がするけれど・・・
「もう一回手貸して」
うん、と私は何をするんだろうと思いつつ孝支に手を貸した。
「あっ・・・」
ギュッと手を握られ、そのまま孝支のコートに付いているポケットの中へと入れられた。
「こういうことしたそうだったから・・・だべ?」
孝支は笑みを浮かべた。握られた手は段々と暖かくなっていく。
「もう・・・」
何で分かったのだろうか。私そんなにしたそうな顔してた?
「俺もゆめみと手繋ぎたかったからさ」
さらっとそんな爆弾発言されたら心臓が持たない。ああ、もう、かっこよすぎる。
「・・・このまま帰ろうか」
グイッと引っ張られ、私は歩き出した。
街灯の明かりが私たちを照らす。心臓は五月蝿く鳴るし、きっと、私の顔は真っ赤になっているに違いない。
そんな私を楽しそうに見る孝支の顔を見てまた体温が上がった。
20150105
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