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買い替えたばかりのテレビから永遠と流れるニュース。皇毅はそれを聞き流しつつ、酒を口にする。
【……一羽の白鳥か無事に救出されました。その白鳥は――】
「つまらんな…」
ぽつり皇毅が呟いた。テレビの画面には何も映っていなかった。皇毅はおもむろに新聞を取り出し読んでいく。
そして、また一杯口につける。
―――バシャッ!
突然大きな音がして、皇毅は目を見開いた。そして音のする方へゆっくり歩いていった。
音のした風呂場へと急ぎ、ドアを開けた。皇毅は中を見ると驚き目を見開いた。
「女……?」
皇毅が見た先には湯を張った湯舟にまるでどこかの時代からタイムスリップしてきたような女が浮いていた。
真っ黒の長い髪に、色白な肌。そして筋肉などほとんどない体。
(しかし…臭うな)
きついお香か何かの臭いが鼻につく。皇毅は堪らなくなり、シャワーで髪を洗った。女の髪など洗ったことのない皇毅は、適当にゴシゴシと犬や猫を洗うように女の髪を洗った。
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