7 [ 10/24 ]
皇毅様から押し付けられた箱を見てみると、中にはたくさんの“ようふく?”が入っていた。
その一枚を手に取り、ちょっと着てみることにした。
ひらひらする裾が面白くて、くるくる回る。ふと、鏡を見てみるとそこにはテレビに出ていた綺麗なお姉さんが着ていた服にそっくりで驚いた。
「皇毅さまー!!」
「何だ…って・・・っ!?」
「皇毅様!こんな素敵な物を本当にありがとうございます!」
勢いあまって、抱き着いてしまったけれど、今は気にしない。だって、本当に嬉しかったから。
「気に入ったならそれでいい」
ぶっきらぼうだけど、優しい人。本当に良い人…本当に、この世界に来てよかった。
まだまだ慣れないことばかりだけど、なんとかやっていけそうだ。
父上や母上もこの世界に来ていないだろうか…そんな希望が頭をよぎったが、すぐに消した。
20120804
[*prev] [next#]