鳴り響くチャイムのおかげで目を覚ました。いつの間に私は寝ていたのだろうか…

確かさっきの授業は古典。古典の先生は厳しい人で、寝ているとすぐ怒られ指される。
絶対私のこと嫌いなんじゃないかとさえ思ってしまう。


「眠いから、またもう一眠りしよっかなー」

「結衣先輩、起きてください!」

耳元で怒鳴られ耳が痛い。夢?夢なの?
寝ぼけていたら頭を叩かれた。こんなことをする人は一人しかいない。

「香鈴ちゃん酷いよ!」

「結衣先輩がいつになってもこないので、私達先輩の教室にまで迎えに来て差し上げたのですよ。」

怒のオーラが香鈴ちゃんの周りに見える。

「あっ…お昼だったのか…通りでお腹が空いてるな〜って思ったら。あーなるほど」

「先、輩?」

「じゃ、じゃあお昼行こう!ね!」
はあー…と香鈴ちゃんは大きなため息をついた。
毎回こんなだからクラスメイトにも、どっちが先輩だよ!と言われるんだ…

「あれ?影月君は屋上?」

そう言うと香鈴ちゃんは私の後ろを指した。
後ろを振り向くと影月君が泣きそうな顔をして立っていた。手には香鈴ちゃんのお弁当と自分のお弁当を持っている。

「ご、ごめんね…」
忘れてたわけじゃないんだよ、本当

気を取り直して、私達は屋上へと向かいお弁当を広げるとあることに気づいた。

「今日はキャラ弁じゃないんですか?」

影月君が不思議そうに私のお弁当を覗き込んだ。
「う…うん、どうみてもキャラ弁じゃないよね。」

おかしい。今日はかなり凝ったお弁当を作ったはずなのに。今あるお弁当は物凄く地味なものだ。

「誰かと間違えたのでは?」

「そんなわけないよーだってお弁当は私一人…あっ!そうだ、あの人の分も作ったんだった!」

すっかり忘れていた。
せっかくだからと葵さんの分も作ったんだった!
じゃ、じゃあ…葵さんが持って行った方がキャラ弁…
あの人がキャラ弁…なんだかあの人がキャラ弁を食べている姿を想像したら吹き出してしまった。
一人で笑っていると香鈴ちゃんが私を可哀相な目で見てきたので、笑うのをやめた。

「あっ…予鈴だ」

あれ?次の授業ってもしかして体育?
「急いだ方がよいのでは?」

そりゃそうだと私はサッと片付けダッシュで教室に戻った。

end
20111117

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