思い立ったが吉日と言ったが、まさかここまで自分が方向音痴だなんて思わなかった。
家を出てから数分で迷子になった。周りはすごく大きい家ばかりだし、なんだか場違いな気がして仕方がない。

「この歳で迷子になるなんて…」

あっ!そうだ葵さんに渡された電話番号にかければ…って私携帯持ってないよ。
公衆電話が近くにあるはずないよね。昔は結構たくさんあったのに。

はぁと…ため息をついた。本当に困ってしまった。明日学校一人で行けるか凄く心配になってきた。
立ち止まっていても仕方ないので、歩く。誰か人が通り掛からないかなと周りを見渡しても、誰もいない。なんでさ…

「はぁ…」

私、家に帰れずに死んじゃうんだ…やだな。

「大丈夫?」


!!

「あ、あの…迷子になっちゃって」

どうか私をヘルプミー


なんだか英語がおかしいが、今は気が動転していて何を言ってるのかさえ分からない。

スーパーはどこですか?と聞いたら、スーパーならあっちだと教えてくれた。
なんて優しい人なんだ…私にとっては神様だ!
なんと神様が一緒に行ってくれることになった。凄く頼もしい。

「私は紅秀麗、あなたは?」

「明坂結衣です!よろしくお願いします神様っ!」

そう言うと神様は目に涙を浮かべ笑っていた。

「つい、ツボに入っちゃって…ごめんね。私のことは秀麗って呼んで」

「じゃあ、秀麗姉さんって呼ばせてもらいますね。」

それからスーパーに行くまでたくさんお話をした。
今日は秀麗姉さんの家はカレーにするらしい。じゃあ、私は肉じゃがとか作ろうかな?あっ、後お弁当の材料も買わないと。

後で葵さんに半分お金もらわなきゃ。
買い物終了後の財布の中身は寂しかった。

end 20111115

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