次の日学校に行くのが憂鬱だった。休んでもよかったのだが、休んだら負けかなと思い気力で来た。

「るーるるちゃんどうしたの?」

「え!うわあっ!かごめちゃんお、おはよう・・・」

振り向くとかごめちゃんが不思議そうな顔をしていた。

「挙動不審だけど、何かあった?」

「い、いや・・・何も」

言えない、何故か会長に気に入られて副会長になっちゃったなんて・・・かごめちゃんは生徒会長のこと嫌いそうな感じだったし、言ったらどうなるか。

「ホームルーム始めるぞ」

そしていつもの一日が始まるかと思いきや・・・

ホームルーム終了間近

「先生、北の国からさんを生徒会室に連れていってもよろしいですか?」

おお!と男女の歓声が上がる。私は逃げ出したくなってそろーっと机から離れた。
だが、見事に机に当たってこけてしまった。自分の不運さを呪いたい。

「隠れても無駄だ、行くぞ」

「・・・はい


私の耳元で囁かれ有無を言わさぬ雰囲気で手を出された。

(これで立ち上がれと・・・)

端から見たら王子様と使用人みたいな感じなんだろうか。まあ、誰も私には目もくれないだろうけど。

私の思った通り、歓声の声が教室に響いた。それを耳障りだと思ったのか、手を離さないまま足早く教室をでた。
私と会長は足のコンパスが違うので、ついていくのに必死だった。

「・・・」

会長は何も言わず生徒会室へと急ぐ。
その間も手はつないだままだった。
幸いまだホームルームが終わってない教室ばかりだったので誰にも見られず生徒会室へとたどり着いた。

「あの・・・」

いつまで手をつないでいればいいのかと生徒会室に入る前に会長に聞いてみることにした。

「なんだ」

話しかけたが、すごく不機嫌だった。

「手を・・・」

そう言うと、ああと気づいたようで離してくれた。
それがあまりにもあっさりしていて拍子抜けだ。
(何をがっかりしているんだろう、私)

この会長が少女マンガに出てくるようなウブな反応をしてくれるわけがないじゃないか。

「行くぞ」

いつもと変わらぬ淡々とした態度。

そして生徒会室の扉が開かれた。


20121023


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