私は今生徒会室の前に立っている。生徒会室前は私の想像と違い、普通だった。
生徒会長があんな風な、私にとっては別次元の人だから生徒会室も煌びやかだったりするのかと勝手に想像していたのだが・・・

そして生徒会室前にはたくさんの女子が黄色い声援を送っているものだと思っていたが、実際には生徒会室がある旧校舎にはあまり人は来ないことが分かった。

そんなことよりも早く、生徒手帳を返してもらわなくては。

緊張したときは深呼吸、深呼吸・・・よし!

「失礼しま・・・」

「入口でぶつぶつ煩い、一体なんの呪文を唱えていたんだ。」

「ひぃっ!」
入った瞬間怒られた。

「さっさと入ってこい。こちらも暇ではないからな」

生徒会長は読んでいた書類を机に置き、私を睨んだ。顔はいいのに性格が残念だなと心の底から思った。


「生徒手帳を取りに来ました・・・」

「・・・見れば分かる」

会話が成り立たない。本当に早く帰りたい。周りを見渡すと窓側の机に生徒手帳が無造作に置いてあった。

「じゃあ、私は失礼します」
あーよかったと生徒手帳を鞄にしまい生徒会室を後にしようとしたが、待てと声をかけられ立ち止まった。

「今日からお前は私の右腕だ」

「は?」

いや、急に何を言っているのか分からない。取りあえずもう関わりたくないので逃げた。

「もうここには来ないんだから・・・絶対に」

生徒会長と合わないように徹底的に避けようと心に決めた。


20120910




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