混雑した駅を出て、家に帰ろうと足を早めた。

いつもは通りすぎてしまうケーキ屋。
ケーキ屋があることは前々から知っていたが、入ったことはなかった。元々、甘ったるいものは好きじゃない。

まあ、それはケーキも人間も甘ったるいやつは大嫌いということだ。

それなのに…今日は甘い匂いに誘われた。
それだけ今日は疲れていると言うことだろうか。

ガラス窓から中を見てみると中には女性が二人いた。
接客している女性とお客の一人。いや、奥にももう一人。 楽しそうにケーキを箱に詰めているようだった。


「………」

なんだこの気持ちは 気がついたら、私はケーキ屋の中に入っていたのだった。


 



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