今日はなんだか大学内がざわついていた。文学部の人たちもどこかそわそわとしていた。

「今日何かあるの?」

私は前に座っている友達に話しかけた。きっと彼女なら知っているはずだ。なんたって彼女は情報通だから

まあ、私が単に知らなすぎと言うか疎いからなんだけどね。

「まさか杏里知らないの?」


「えっと…何を?」


ハアと友達は大きくため息をついた。

「まあ、文学部のうちらには関係ないかもしれないけどね。でも、有名人が来るってことは確か」



「有名人?俳優さんとか女優さん?それとも今人気のアイドル?」

あっ、でも…人気のアイドルって言ったってバイトで忙しいからよく分からないんだけど 

そういうとまた友達はため息をついた。


「今、この国で有名な会社はどこだと思う?」


「えっと…確かこの頃ニュースとかで名前をよく聞く蒼グループ?」


「そう、正解。で、今日の3限に外部講師として蒼グループの人が来るみたい。まあ、経済学部の人間からみたら神様みたいな人が来るってわけ。それに、かっこいいらしいよ」


なるほど!だからこんなにざわついているんだと納得した。
大学内はまるで、ライブの開始を待つファンばかりのようにみんな落ち着きがない。


「ちょうど暇だし、行く?つまんなくなって抜け出しても大丈夫でしょ」

「うーん…ちょっとだけなら」

アルバイトも今日は休みで、家に帰っても勉強をするつもりだった。

それに少しだけ経済に興味はある。







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