まさか、自分があんなにも動揺するとは…


いつものお礼だとマドレーヌをくれた時の彼女の笑顔にドキッとした。

「バレたか…」


心配そうに声をかけてきたと言うことは、動揺していたと言うことがバレたと言うことだ。
たぶん、そうに違いない


30代の男に好かれて嬉しいとは思わないだろう。
告白する前から玉砕とは…

もう、このケーキ屋に立ち寄ることもないだろうと、モンブランを一口食べた。


「…美味しい」


確かに彼女の言うとおり甘くない。これなら何個でもいけそうだ。

マドレーヌは明日仕事にでも持って行くことにした。

明日は特別な仕事、それが成功するようにとお守りにしよう。

そう、心に誓った。





end
20110729



TOP