さん

 

「皇毅がプリン食べるなんて珍しいね。しかもそれ駅前のケーキ屋さんのだね。」


昼ご飯も食べ終わり、昨日買ったプリンをデザートとして食べていた。

さすがに毎日晩にプリン二つはカロリー的にも多い。
それに自分は若くはない。

若ければプリンの一個、二個どうってことないのだが


「プリンを食べたらおかしいのか?」

睨んでも、晏樹は何事もなかったかのように涼しい顔をしている。


「おかしくないけどさ、この頃毎日プリン食べてるよね」 

「プリンは甘くなくて私は好きだ。それにここのプリンが一番美味しい」


最後の一口を口に運びプラスチックのスプーンを置いた。


「じゃあ私もそこのケーキ屋で何か買ってこようかな」


「勝手にしろ」


本当は行かせたくないが、ここで行くなと言ったら不審がられて今以上に興味を持つだろう。

それだけは何としても阻止したい。


「じゃあね皇毅、私はもう行くよ」


「………騒がしいやつだ」


晏樹がいなくなり、やっと落ち着ける時間が来た。と言っても、もうお昼は終わりなので嫌でも仕事をしなければならない。

あの店で買ったプリンを食べている時だけが、唯一幸せな時間だ。


end
20110530



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