「なあ、お前よ少しは結婚しようと思わないのかよ」
「何よ、あんたは菖蒲ちゃんがいるでしょ!私のことはほっといて頂戴!」
岩の上で殺生丸を待っていたら、妖狼族の鋼牙に出会った。
「せっかく今日は、綺麗におめかししてきたのに何であんたに会うのよ!」
やっぱり一番最初に殺生丸と出会って「綺麗だな」とか、「まあ、いいんじゃないか」とか言われたかったのに。
まあ、一部私の妄想なんだけれど
「一生一人って言うのも寂しいぞ、化け猫」
「うるさいバカ鋼牙」
鋼牙に会うたびいつも結婚はまだか?とか男はできたか?と聞いてくる。
「あんたは私のお母さんじゃないでしょ、だからほっといて」
「妖狼族からもふもふにピッタリの男を選んでお前に合わせてやるよ」
妖狼族って…私は妖狼族じゃないんだけどなぁ
どうしてここまで鋼牙は私のことを気にするんだろうか。
たぶん、それは…
「俺達妖狼族はお前のことを歓迎してやる。もちろん総出でな!だから、豹猫族だろうと何だろうと気にすんな。」
鋼牙は胸をトンと叩き自慢げに…いや、私を励ますように答えた。
私は豹猫族を追い出された。
豹猫族とは、犬夜叉の父率いる西国の妖怪が闘った東国の猫妖怪の集団。
それから犬夜叉と殺生丸の父との戦から150年後、今度は殺生丸や妖怪たちと戦をした。
その時、父が殺生丸のような男と結婚をして欲しいと口癖のように言っていた。
私は当時、あんな犬絶対に嫌だと嫌っていた。
戦をし、父は私を庇って死んでしまった。
私は父の側に泣き崩れた。戦いの最中、敵に背中を見せてはいけないのに…
敵の矢が自分目掛けてくるのが分かった。
もう、死ぬんだと覚悟はしていた。尊敬していた父は死に、私にはもう何もなかった。
だから、怖くないと思っていたはずなのに私の奮えは止まらなかった。
「泣いてる暇などない、立て」
鋭い視線に射ぬかれて、私はその人から目が離せなくなった。
そこからだ、私が殺生丸に惚れたのは
あんなに嫌っていたのに、殺生丸の優雅な戦い方にあの物腰、すべてが魅力的で私の胸は高鳴っていった。
まあ、豹猫族は逃げてしまい、妖怪達も死んだ。それから50年後、また事件を起こし犬夜叉や殺生丸たちに負け、犬夜叉たちと和解し、東国に帰った。
そして今に至る。
私は国を捨て、殺生丸を追うようになった。
最初はいつも怒らせてばかりだったけれど、少しずつ殺生丸に歩み寄れている気がする。
「もふもふがしつこく付き纏うから怒るんだ。それに歩み寄れているっつーか、諦めたんじゃねぇの?しつこすぎて」
「うるさいな、もう!それに分かってるでしょ、私は殺生丸一筋だってこと」
ヘイヘイと鋼牙は適当に私をあしらう。
「ほら、あんたは早く菖蒲ちゃんの所に行きなさいよっと。」
ドンと鋼牙を蹴った。そうしたら、鋼牙は勢いよく下に落ちた。
「じゃあね〜あっ、菖蒲ちゃんによろしく」
私は鋼牙を助けぬまま、岩場を後にした。
end
20110430
まさか公式と被るなんて思ってませんでした…orz
そして鋼牙君はたぶん合ってるよ…ね?
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bkm