4時間目が終わって腹ペコ、お昼の時間。

私はいつもクラスの女の子と食べたり、松風君や葵ちゃん達と一緒に屋上で食べたりしている。
転校してきたにしては上々なランチタイムを送っていると思う。


今日は葵ちゃんがお菓子を作ってくれたと言うので屋上へGOだ。
私は剣城君と同じクラスなんだけれど、彼の席を見ると既に屋上へ向かったらしい。早い。
私もいつも一緒に食べるメンバーに断りを入れてから急ぎ足で向かう。
クラスの子達と食べるのも楽しいけど、屋上で皆と食べるのはもっと楽しい。

白竜がいるから。


屋上の扉を開けると私以外のメンバーは既に集まっていた。

「あ、奏ちゃーん!」

「来たか奏!!」

葵ちゃんが手を振りながら私が座る場所はここだよーってジェスチャーしてくれている。
白竜はいつも通り。

「ごめーん、私が最後?」
「おせーよ水無月。腹減ったし。」

「なんだ狩屋、貴様奏に向かって!」

「い、いいから白竜!本当みんな待たせちゃってごめんね。」


狩屋が突っ掛かってきたのを白竜が庇ってくれた。
私も別に遅れた訳じゃないと思うんだけど一番遅かったのは事情。
みんな全員が揃うまで待っていてくれるので、本当は早弁したいくらいお腹を空かしていた男子中学生には申し訳ない。

「いいからいいから!じゃ、みんな食べよっか!」

葵ちゃんが元気に声を上げると待ってましたとばかりに凄い勢いでお弁当を食べるみんな。
またものの数分で食べ終えて、一服もしないうちに持参したサッカーボールで遊び出すんだろうなー。


「奏、うまかった!」

「うん、美味しかった。」

「ありがとー白竜、青銅。」


弁当は朝食当番が作ることになっているので、今日のお弁当は私が作った。
やっぱり数分でお弁当を食べ終えたサッカー少年達は今度は葵ちゃんの作ったブラウニーにありつく。

口々に美味しい美味しいと言われているけれど、葵ちゃんは「もっと味わって食べてよねー。」と頬を膨らませた。
こんな美味しそうなブラウニー、私は充分味わいながら食べるつもりだ。




そしてまだお弁当も食べ終わらない私と葵ちゃんをよそにサッカーが始まる。


それを見ながら談笑して過ごすのが屋上でのいつものお昼。
あと2時間頑張れば今度は部活の時間だ。



――――――――――――20120405

日常パートって楽しいよね

prev next

back