「すまなかったな。」


夕飯を作り終えて宿題をやっていた私に、急に部屋から出てきた白竜が謝った。
「へ?」

「すまなかった、奏。」

「…もう大丈夫なの?白竜。」

「青銅が相談に乗ってくれてな、すっかりだ。」

「よかった…。」

「…!あ、ああ。」


笑いかけたら白竜に目を反らされた。
ちょっとムッとしたので白竜に聞いてみた。


「ところで、何の事に対して謝ったの?」

「閉じこもって心配させたことだ。」


さらっと言った!


「アホ!アホアホアホ!」
「な、なんだいきなり!」」

「違うー!」


あまりに予想通りすぎた。私は白竜の胸をポカポカ叩いた。びくともしない。


「朝もそうだったが…奏は何を怒っているんだ?」
「何ってそりゃあ…っ!」
「なんだ?」

「そ、それは一緒に…一緒にね、ほら…。」


"一緒に寝てることを皆に言ったこと"と言いかけて恥ずかしくなる。
私がどもっていると白竜がこれみよがしに上手にでてきた。


「はっきり言ってもらわないと分からないな。」


とか言って抱きしめてきた!うわわわわわわ!!ベッドの上以外で白竜にこんなことされたの初めてだ。普通順番が逆だよね…。

一応怒っている最中だし、凄いドキドキしてるのバレないといいんだけど。


「だ、だから、一緒に寝てるの皆に言ったでしょ!そのこと!」

「ああ…まずかったか?」
「まずいよまずい!私達まだ中学生だし…狩屋くんも言ってたけど普通付き合ったりしなきゃそんなことしないんだもん!」


言った瞬間まずかったと思った。また白竜の機嫌が悪くなったらどうしよう。
怖かったけどチラッと白竜の顔をみると、やっぱり真顔になっていた。


「は、白竜、ごめ…」

「嫌か?」

「え?」




「嫌か?俺と付き合うの。」


―――――――――――
20120219


青銅は空気を読んでます。

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