「白竜くんは流石にサッカーものすごく上手だね。」
朝のマネージャー業務の最中に葵ちゃんがそんなことを言ってきたものだから、私は今朝のことを思いだして苦笑いで応える。
「サッカーはねー。葵ちゃんも白竜の性格知ってるでしょ。」
「うーん、でも個性があっていいんじゃない?」
「一緒に住んでる方の身にもなってよー。今朝だって……。」
「今朝?」
言いかけて、今朝白竜に抱きしめられて寝ていたことを思い出す。
あの時は慣れっこだし同じ慣れっこの青銅がいたから大丈夫だったけど、なんだか女の子に話すと照れる。
「う、うん今朝、ちょっとあってね!」
「えーなんで隠すのー。」
「奏ちゃん、顔真っ赤。」
「茜先輩まで〜…ま、また今度です!ドリンクほら終わったから行きましょう!」
私がドリンクを持って急いで場を離れようとすると、向こうから水鳥先輩がとてつもなくニヤニヤしてこちらにやってくるのが見えた。
嫌な予感がする。
「おーい奏!お前白竜と一緒に寝てるんだってー?!」
案の定爆弾が落とされた。
「だだだだ誰がそんなこと言ったんですかああああああ?!」
「白竜だけど。」
あほおおおおあのアホ!
何言ってくれてるんだ!
私はドリンクをすっぽかしてコートに向かって全力疾走した。
そして叫ぶ。
「白竜のアホおおおおおおおお!!」
「究極の俺に向かってアホとはなんだ!!」
「究極のアホ!水鳥さんに何て言ったの?!」
「なんだ奏、何を怒っている。俺は皆と冷え症の話をしていただけだぞ。剣城が足が冷たくて寝られないと言うんでな、俺は奏を抱いて寝ているから温かいと言ったんだ。」
「うわあぁぁ…。」
いま白竜、みんなと話してたって言ったよね?
ああ…本当アホ…。
狩屋くんとかに凄くいじられそう。
先輩達から微妙な目で見られそう…。
「お、噂をすればお熱いお二人さん。」
噂をすれば狩屋くん。
「やっぱ水無月は白竜くんと付き合ってるわけ?ていうか付き合ってなきゃ一緒に寝たりしないよね。」
私は狩屋くんが苦手だ。
何か知らないけどホームルームとかクラスに居るときはあの鋭い目と性格が嘘のように、人畜無害でただの可愛い男の子みたいになる。
そして部活が始まると同時に頭に被った猫を引っぺがす。
こちらのモードになると狩屋くんは人を困らせる発言や行動ばかりするんだ。
よく霧野先輩にしかられている。
だからあまり近づきたくないのが本音。
大体むこうから近づいて来るんだけどね。
「私達付き合ってないよ、狩屋くん。」
「えー。でも水無月はそう思ってなくてもさー。ねぇ?」
狩屋くんがそう言って白竜に話を向けたので私も白竜を見る。
すると白竜は狩屋くんを睨みつけてこう言った。
「黙れ。」
本気で怒っているときの顔だった。
――――――――――
20120214
バレンタインだけどバレンタインの欠けらもない話。
狩屋って白竜のことなんて呼ぶのかな。
グリフォン小説買うべきだよねwww
狩屋めっちゃ嫌なやつぽくてごめんなさい。
はぁ、もっと甘くしたい。
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