小説2 | ナノ
夢だけ不運
花岡「ねえ左近話があるの。」
川西「花子…!な、なんだよ?」
花岡「私もう左近の不運にはうんざり。カワイソウな人だと思って我慢してきたけどもう限界みたい。私の半径三メートル以内に金輪際近づかないように努力してくれる?」
川西「エ…花子!」
花岡「それから気安く名前呼ばないでね。不運が移ったら大変だし。」




川西「…ていう夢を見た…死にたい…」
時友「うわあ…」
能勢「それは…お気の毒に…」
池田「ブフウ!…まあ夢でよかったじゃねーか!正夢にならないといいな!」
時友「三郎次はとりあえず黙って少しでも酸素を吸わない努力をしたほうが世界のためだよ。」
池田「あ、すみません四郎兵衛サン…」
能勢「でもそれ夢のハナシだろ?現実とは関係ないんだからあんまり考えすぎるなよ。」
川西「あまりにもリアルすぎて花子に会う勇気がない。」
時友「元気だして左近。だいじょうぶ、花子ちゃんはそんなこと言う子じゃないじゃない。それに不運もぜんぶひっくるめて左近だって花子ちゃんは理解していると思うな。」
川西「ああわかってる、だけど…」
花岡「あ、左近いた!」
能勢「お花子。」
川西「花子!?ま、待て来るな!」
花岡「わたしの夢のことで落ち込んでるんだって?慰めにきたよ!」
能勢「あれ、なんで知ってるんだ?」
花岡「さっき三郎次から自分の自撮り写真渡されて「これやるから左近のところに行って慰めてくれないか」ってドヤ顔で言われたの。」
能勢「なんだこの写真決めポーズに寒気がする。」
時友「心は宇宙のように広く持って三郎次なりの気遣いだって思うことにしようね。」
花岡「左近、わたしは左近のこと嫌いにならないから安心して。」
川西「花子…」
花岡「夢のなかのわたしより、現実のわたしの方が信用できるでしょ?今日だって不運な左近のためにね、手作りのお守り作って持ってきたんだから!じゃーん!」
能勢「…お守り?布にホチキスってお前…ズボラにも程があるだろ…」
時友「でも大事なのは愛だから。僕たちは突っ込むのガマンしとこ。」
花岡「これ持ち歩いてれば大丈夫!左近の不運が少しでもなくなるようにお願いしたから!」
川西「花子…!ありがとう…」
花岡「不運に素直になれないツンデレって、本当に損な組み合わせだし色々なことで大変な思いすると思うから、お札も買って中に入れておいたからね!月に一度はお払いするといいかもしれないって。あと風水も気にしてみたらいいかな。左近の部屋は窓の方角どっち?部屋の色は?本買って読んでみたんだけど。よかったらこの本も貸すね。」
川西「あ…ああ…」

能勢「…なんかな、惜しいんだよな。」
時友「ホントにね。」

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