小説2 | ナノ

「久作、今日さむくないか…」
「そうか?朝なんかはだいぶ冷えてきたけど、日中はそうでもないだろ」
「いや、寒い。やっぱり下もヒートテック着るんだった…」
「下もって、もうヒートテック着てんのかよ左近。今からそんな調子で冬どうすんだよ」
「とりあえずストール貸してくれ」
「ったくしゃーねーな、ほら」
「……なんか、違う。こんなサラサラ素材じゃ暖がとれない。やっぱ返す」
「お前な…怒るぞ」
「悪い、でも僕の生死に関わるんだ。そうだ、四郎兵衛から耳あて借りるか」
「あの女子に囲まれて耳あてかわいいかわいいと騒がれてた四郎兵衛から耳あてをとる勇気あんのか?」
「…ないな」
「池田から剥ぎ取れば。薄着な俺カッコイイとうまく思わせてさ」
「あいつの貸してやるよっていうドヤ顔見るなんて屈辱…」

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