小説2 | ナノ

今日は学園長先生に頼まれたおつかいを済ませないといけない。そういえば掃除当番も僕だ。あれ、保健委員の集まりは今日だったかな、明日だったかな。

あれもこれもやらなければいけない用事がたくさんある。やることが多すぎて何から手をつけていいのかわからなくなる。
これだから僕は要領が悪いんだ。きり丸だったらサッサとこなすんだろう。あれこれと考えているからいけないのだとか言いそうだ。
そういったって僕のこの性質は直るものではないし、きっと一生、きり丸みたいにはなれないだろうと思う。
そう言い切ってしまえるのは、きっと既に僕がこんな自分に慣れてしまっているから。
日々何かにつけてしかたないなあなんて考えたりして、僕は今日も相変わらずだ。
今週も何かしらの不運に見舞われるのだろうなあ。
掃除当番、水をひっくり返さないようにしないと。保健委員の集まりには特に注意が必要だ。


こうやって休みまで僕は同じ日々を繰り返して少しの変化にびくついて、新しい発見に感動して、休みに期待して、そしてそれもすぐ忘れて、過ぎて、巡って、

君の言葉はまだ僕の胸に刻みついたまま
君の涙もまだ僕の目に焼きついたまま

今日も僕は日常に埋もれる。

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