小説2 | ナノ
バレンタイン
花岡「おはよー。」
時友「おはよう花子ちゃん。」
能勢「はよ。」
川西「お、おおはよう花子。」
花岡「あれ三郎次はいないんだね。」
能勢「あー。今日はバレンタインだからな。」
花岡「へ?なんでバレンタインなのに学校来てないの。むしろ絶対に来そうなのに。」
能勢「少し遅れて行って、女子が下駄箱や机の中にチョコレートを忍び込ませる時間を作ってやるんだと。」
花岡「へえ〜」
川西「必死すぎてこわいなアイツ…」
花岡「あ、そうそう」

ゴソゴソ

花岡「はい、これみんなに。ハッピーバレンタイン〜はい左近。」
川西「え?あ、ああ。(花子からの…?チョコ…うわ、正直嬉しい。期待してなかった。)」
花岡「はい久作。」
能勢「サンキュ」
花岡「はいしろちゃん。」
時友「ありがとう。これ、手作り?」
花岡「うん。…美味しいか、わからないけどね。」
川西「(てづくり…義理でもなんでも手作り…!今日は不運じゃない!ありがとう神様!)…ふ、ふん!危ないもんだな、ままあもらってやるよ。」
花岡「あ、左近安心して。左近だけチョコパイだから。」
能・時「「えっ」」
川西「エッ…な、なんで!?」
花岡「だって左近、この間教室で手作りチョコとか市販の方が正直美味しいのによくやるなあってみんなと話してたじゃん。」
能勢「ああ…」
時友「左近…」
川西「(嘘だろ…確かに言った、言ったけどそれを何でよりによって花子が聞いてるんだよ…)」
花岡「じゃ、そういうことだから!ホワイトデー楽しみにしてまーす!」


時友「左近、…交換する?」
川西「…なんだよ、いいよ。僕が、もらったものだし。市販の方が、確かにウマいし、な、うん…」
能勢「お、おお!チョコパイ、ウマいよな、な?左近。ほら、チョコパイって言ったら菓子の中じゃトップクラスだよな!」
川西「そうだよな…はは、チョコパイ…」
能・時「「…」」
池田「はよー。」
時友「あ、三郎次。」
能勢「おはよ。涙ぐましい努力の結果、チョコはあったのか?」
池田「何言ってんだ。チョコ渡すのは放課後って相場が決まってんだ。これからだよこれから。」
川西「…」
池田「って、お前ら何でチョコ貰ってんだよ!」
能勢「あ、コレ花子から。」
池田「マジか…ちょっと俺貰ってくる。」
川西「あ、本当に貰いに行った。」
能勢「必死だな。」

能勢「あ、戻ってきた。」
時友「チョコもってないね。」
池田「ああ…」
能勢「三郎次、貰えなかったのか?」
池田「行ったら「三郎次この間、俺正直チョコなんて甘ったるいしそんなに好きじゃないんだよなーでも俺貰ったチョコとかちゃんと全部食べるしお返しまできちんとするし。ま好きじゃないけど俺そういうとこ真面目っていうかな。マジちゃんと全部食べてるんだぜ。」って言ってたじゃん。だから用意してないよって言われた。」
「「「…」」」
池田「なんだよ。べ、別にチョコなんて、っ欲しくねえっから!!」
時友「あっ三郎次!どこに行くの!」
能勢「あーあ行っちゃった。」
時友「ちょっと泣いてたね。」
川西「チョコパイか…チョコパイ…」
能勢「こっちもあっちも…なんつーか不憫だな。」
時友「だね。」




時友「花子ちゃーん」
花岡「あれ、しろちゃん。どうしたの?」
時友「ねえ、作ったチョコレートもう全部配っちゃった?」
花岡「ううん。ひとつ余っちゃった。」
時友「本当?じゃあさ、それ左近にあげて、左近のチョコパイ三郎次にあげてくれないかな。実は欲しかったみたいなんだ。」
花岡「ええ?ほんと?別にいいけど…欲しかったのかあ。ふたりとも素直じゃないなあ。」
時友「ね。」
花岡「素直になったら気持ち悪いけど。」
時友「…ね。」
花岡「それにしてもその紙袋、パンパンじゃんか。今年もしろちゃんはチョコの数すごいね。」
時友「本当ありがたいよねえ。たくさん食べれて嬉しいよ。あ、みんなには内緒ね。」
花岡「もちろん!」

happyバレンタイン!

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