小説2 | ナノ
髪が気になるお年頃
池田「よっ」
川西「おー三郎次おはよ…ってなんだその髪色!」
能勢「髪にワカメが生えてるぞ三郎次。」
池田「メッシュだよメッシュ。お前ら知らねーの?」
川西「いや知ってるけど。緑って。」
池田「俺、他人と同じ色とかイヤなんだよな。」
花岡「あー三郎次おはよう。いい色だね。」
川西「(ウソだろ…花子。こんなんがいいのか。)」
池田「さすが花子。分かってくれるか。」
花岡「うん。青汁みたいでいい。」
池田「ちょ…」
能勢「プ、」
川西「ぶっ」
時友「くすっ」
池田「お前ら笑ったな!なんだよ久作、お前の髪なんてフッツーの茶色じゃねーかよ。」
能勢「いいんだ。俺は他人と同じでいいから。」
池田「つまんねー奴!四郎兵衛だって、全然目立たねーし!」
時友「僕はこれ地毛なんだよね。もとから少し髪の色素が薄くて。染める理由もないから染めてないだけだよ。」
池田「ぐ…」
花岡「なんか四郎兵衛かっこいい。」
能勢「な。」
池田「まあいい。…左近は、どーせなんにも考えてないだろ。」
川西「な…!か、考えてる!」
池田「なんだよ、言ってみろよ。」
川西「…!(ヤバイ、言ってはみたけど正直髪とかについて何も考えてない。てか四郎兵衛の後になんで僕に振るんだよ。花子もいるのに…三郎次うぜぇ…!)」
能勢「無理しなくていいぞ、左近。」
時友「そうだよ、別に髪のことなんて気にしてなくたって花子ちゃんは嫌わないから。」
川西「う、うるさい!二人してコソコソ言うなよ!僕は、その、髪の毛に負担がかからないように染めないことにしてるんだよ!」
花岡「…左近、そうだったんだ。」
川西「あ、ああ。」
花岡「でも、ほら。そんなに気にしなくても大丈夫だよ!確かに、左近ちょっと前髪は薄いけれど、でも後ろ髪はツヤツヤだし。まだ高校生だし、これからかもしれないからね?」
川西「(あれ?なんか、おかしい。花子が哀れみの表情を僕に向けてる。神妙な顔も可愛いけど…て違う違う!なんか完全勘違いされてる!別にハゲは気にしてない!てか僕の前髪は薄いのかよ花子!)」
能勢「そっか、左近ハゲを気にしてたんだな。」
花岡「久作、そんなハッキリ言ったらダメだよ!」
川西「(めっちゃフォローされてる、僕。死にたい…!)」
池田「なあ、左近のハゲはもういいから俺のメッシュについて話そうぜ…」

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