小説 | ナノ



「いっつも、三郎次くんはいじわるだから。」

彼女が小さくため息をついた。
違う違う。お前は俺のことただの意地悪なやつだって思っているかもしれないけれど本当は違うんだよ。
なあ。そんな諦めたようなため息つかないでくれよ。お前がまじめに頑張る姿とか見てるともう自分でもよくわからないけれど、
お前に構ってほしくて気づいてほしくておかしくなるんだ。気がついたら思ってもないねじれた言葉を繋げちゃうんだ。

なあ、俺から逃げていかないでくれよ。
なあ、俺ももう覚悟を決めたから。
なあ、

「こっち向けよ。」

なあ、
そんな嫌そうな顔を向けないでくれよ。
こんな関係はもう終わりにするからさ。

お前に向かって今、
全部の「本当」を乗せて、飛ぶから。

僕はジ/ェット song by spitz

~11/10/30(池田)

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