小説 | ナノ


▽ 温めすぎた愛、覚悟


応答願いますこちらK。5m先にターゲット確認、こちらには気づいていない様子。どうぞ


なんてね、さて家出中の俺なんだけどそろそろ2週間になるかな?オラさんを尾行し始めて、色んな感情が入り交じりながらもこの状況を楽しんでる。オラさんが俺のことじろじろ見てたのも今となってはわかるかもしれない

俺の秘密を知っているのはオラさんだけで、優しくしてくれるのもオラさんで、遙流で言うならば顔がいい、そんなやつが俺に好意を寄せて待ってくれている、おまけに居心地もいいときたら好きにならないはずがなかったし避けてた時期もあったけど完全に劣等感からだった、情けない。そして今オラさんを好きだと自覚している。…なのだがそれだと調子がいいというか与えられたものをそのまま受け取れない状態というか年上の沽券に関わるっていうか、そう、俺はもう30過ぎたおっさんで、そんなおっさんにうつつを抜かして不毛じゃないのかと問いたくなる、正直に言うと素直になれない、悔しい
(まぁあんまり年齢変わらないんだけど、というのは置いといて)

だって恋愛のれの字も全くなかった30ウン年、どうしていいか全然分からない、これからもそういうのは無縁だと思っていたしむしろそのままがよかった、そしてすごく怖い…でもそろそろケジメつけなきゃね。この体のことも…

おっ、ターゲットが出てきたぞ、追え追え

応答願いますこちらK、ターゲットをこのまま追跡する、スマートにね(ニット帽+サングラス+マスク)




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遙家inBARのセット


ヴィオラ「ただ今帰り…なっどうしたんですかこれは」

遙「おかえり、まぁ座りなよ」

楓「お客様、こちらに」

ヴィオラ「は、はい(お客様?)」

遙「キミ、落ち込んでいるようだね…綺麗な顔が台無しだよ…そうだなぁその原因を当ててみよう、う〜ん嫁に逃げられたかな?」

ヴィオラ「(慰めようとしてくれているのでしょうか…?)…よくわかりましたね、まだそこまでの関係じゃありませんが」

遙「やっぱりね、じゃあマスター、あれを彼に」

シュッ(ならない指パッチン)

楓「畏まりました」


……

ヴィオラ「これは本格的ですね」

楓「フローズン・マルガリータでございます」

ヴィオラ「いただきます…冷たくてとても美味しい…」

楓「カクテルにはそれぞれカクテル言葉というものがありまして、今お出ししたものには「元気を出して」というカクテル言葉がございます」

ヴィオラ「先生…楓サン…」

遙「おっとここでは先生呼びは禁止さ、遙と呼んでくれ、新鮮でいいだろう?」

楓「私めはマスターとでも」

ヴィオラ「わ、わかりましたマスターと…は、遙…サン」

遙「うんまぁいいだろう、マスター俺に焼き鳥と枝豆それになっちゃんオレンジ一杯」

楓「お待ちくださいませ」

ヴィオラ「(ここは突っ込むところなのでしょうか…)私も同じものを追加で…」

遙「待ちたまえ、マスター2つ目を急ぎで」

シュッ(ならない指パッチン2回目)

楓「畏まりました…お待たせ致しました、テキーラサンライズでございます」

ヴィオラ「ありがとうございます…これも美味しいですね」­­

楓「こちらのカクテル言葉は「熱烈な恋」でございます」

遙「キミは…今も恋、してるかい?」

ヴィオラ「恋…遙サン、私がここへ来た時の事を覚えてますか?」

遙「あぁ、あれは凄かったね、ひと目でやべーやつだと思ったもん、近づいてきた時はマジかって思った」

ヴィオラ「そう、あの時の遙サンはとても魅力的で、なんででしょうね?私達生徒候補を見る顔がとても楽しそうで…私は一目見た瞬間にこの人だって思ったんです、好きだと言ってしまったのは少々やりすぎましたね…」

遙「DTなのにね…」

ヴィオラ「それは今関係ありませんね」

遙「まぁ非処女なんだけどね」

ヴィオラ「それも関係ありません。そのあと色々あって香澄サンに出会って、好きの本当の意味を知って、そしてつかず離れずの距離でずっと今まで来たんです、私には正解が分からなくて…追いかけていいのか、待つべきなのか、もうこの際DTで構わないので助言をいただきたいです、本当のことですし」

遙「開き直ったね…俺、梓タンに逃げられたらって今考えてみたけどその時にならないとわかんないや、なんだかんだ怒られること多いけど何日も離れるってことなかったし考えられないかな、もしそうなったら別れ話系かな…あっ嬉しそうにしてんじゃねぇマスター」

楓「もしそうなったら愉快だな。オラさん、俺の意見だが少し、まず追いかけるなら覚悟をすること、待つならとことん待つこと。皆2人早くくっつけと思ってた、それほど香澄さんの好意は目に見えていたしな」

ヴィオラ「なるほど…と言ってみましたが私ではまだ理解が追いつきませんね…」

遙「マスターは待つ天才だよね」

楓「うるさい」

ヴィオラ「だから妙に説得力があるのですね」

楓「…まぁどちらを選んでも大丈夫そうだな…ただ居場所が分からないのが難点か」

遙「そだね〜姉さんにGPSとかついてないの?」

ヴィオラ「普通はついてませんね」

?「ふふふふ…お呼びかな?」

遙「誰だ?!」

椿「呼ばれてとび出てジャジャジャジャーン☆椿様の降臨だよ☆★」

遙「ランプにお戻りください」

椿「あっ、ねぇちょっとセンセこっちきて」

遙「なに?」

椿「顔面偏差値の高いバーの出来上がり」

遙「ちょっと、俺がいても変わらないはずだけど?」

椿「そうそう、GPSの話ししてたよね?」

遙「俺の席に座らないでくれよぉ」

ヴィオラ「まさか…」

楓「本当にGPSを仕込んで…」

椿「違うって、俺がそんなことするように見える?」

遙「見える」

楓「見えるな」

ヴィオラ「見えますね」

椿「あ〜〜〜〜〜!そんなこと言っていいんだ!たとえ香澄さんの居場所知ってても言わな〜〜〜〜〜〜〜い!」

ヴィオラ「知っているのですか?!」

椿「ふふん、俺の情報網にかかれば人1人探すのなんてお手の物だよ☆」

遙「探偵やってたっけ?」

椿「違うよ〜〜だ、ちなみにはい、何でだかわかんないけどここにいるみたいだね」

ヴィオラ「…!」

楓「病院…?」

遙「ビョイ-ン」

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