ぐにゃり、と視界は歪む。理解が悪い脳に叱咤する気力すら起こらず、ただ俺はそれを眺めていた。信じられない、と、信じたくない、が、手を繋いで歩いているけれど、その想いを否定してしまう確かなものは俺の目の前にあった。
だけれど、と心の中で言葉を繋げてみる。そいつらは手を繋いでいるけどいつかはどちらかがこうなるとどちらかがわかっていたんじゃないのか。それでも止めなかったのはその遊びを互いに楽しんでいたから、かな。…なんてね、馬鹿らしい。語り手も聞き手も一人しかいないというのに嘘をついてどうすんの?と怒ったら少しは素直になってくれた。うん、遊びたいとかそんなんじゃなく、全くそうじゃないと言い切れないけど、まあそれもあるけれど、それは枝の一本であって根のほうにある答えは違うわけであって。きっと、こうでしか繋がる事が出来なかった、から。俺達の間には少量の血が無いと関係を築くことが出来ないんだよ。はは、常に三角関係だというわけだ、昼ドラより物騒じゃないか。ほんとにね。
そんな俺達の間に当然言葉は要らない。寧ろ言語だけじゃ足りないから命を求めるように貪るように右手左手を必死に振り下ろすのだろう(獣のようだ、と笑ったのは誰だったか。それでもその通りだから別に何も思わなかったけれど。彼は単細胞で化け物、俺は人という素晴らしい存在から程遠い、)互いの破壊行為は5割の殺意と5割の手加減を織り交ぜて繰り返される、筈だったのに。










「は、は、は、は、は、は、は、は、は、は、」















地球がまた、俺を振り落とそうとする。縋り付くところが無いから地面に落ちた。ああ、じわじわと、浸食、される、色に。恐怖と呼べるかわからないものを感じて、目の前に転がる手に手を伸ばした。躊躇いがちに指に触れ、手の平に触り、指と指の僅かな隙間に指を差し入れて絡める。好感も持てないそれらが手を繋いでいたから真似てみたんだけど、不思議だな。胸になにか、いつもと違うなにかが零れた気がする。




俺は彼の顔を見る。薄く開いた瞼の隙間から覗く目は青いのか赤いのかよくわからない空を見つめていた。いや、空というより宙に浮かぶなにか。想い出と人が呼ぶもの。考えて喉がからからになった。はじめて絡めた手で強く握りしめて、冷たさに震える彼の手を温めようと試みる。まずはでんわでしんらをよべばいいんだっけでんわってたべるものじゃなくてのむものだっけしんらってだれだっけめのまえのあかにまみれたひとはなんでこんなところでねているんだろうかあふみつければおきるのかなじゃまだなああっあっあっはっはっはっっ、、、し、ちゃ、みみなりがす









る、


























息を大きく吸い込んで身体に生命を与えようとしたら失敗した。俺は声帯を雑巾絞りするように言葉を吐く。けれど言語だけじゃ足りないから命を求めるように温めるように強く強く身体を抱きしめるんだ。するとまたいつもと違うことにたくさん気付いてしまった。







震えていたのは俺の手のほうかい?ああ、ならば、どうか、たゆたう想い出を見つめる前に、どうか、


































タユタ

(今、想い出が光る前に俺を見て、)








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狂人弱虫様に提出


らっどらぶ!好きな歌なのに上手く書けないのがもどかしい><タユタを歌ってるのださんの息継ぎが好きです酸素になりたい(…)
で、これの話的には説明すると血まみれシズちゃんと臨也の話です。ほんとわかりづらくて申し訳ありません。
あとひそかに高校の二人の設定でした。大人になった二人はほら、らぶらぶだから…(うざいね!)

素敵な企画に参加させていただきありがとうございましたっ!
2011*3/3

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