「ここが…鈴木学園…」

闇城月子、都立高校一年。今日から予備校に通う。理由は…まぁ、無難に進学の為と言っておく。

「……それにしても」

凄い人の数だ。周りを見れば、人、人、人。説明会では聞いていたけれど、予想以上の数。男女問わず多い。

私は、他人と群れるのが嫌いだ。…苦手と言った方が良いのかもしれないが、敢えて言う。嫌いだ。大嫌いと言っても間違いじゃない。とにかく嫌いだ。
女子特有の、グループ作り。あれは本当に嫌悪感を抱く。私はグループに入ったことが無いわけでは無いのだ。小学生の頃、クラスの中心となる女の子がいるグループに入っていた。些細なことでその子と揉め、いじめに発展した。それからはもうグループになんて入らなかった。


「ねぇ、もしかして…今日からの子?」
「…え、あ…はい」

可愛らしい女の子だ。ツインテールで、毛先はくるんと巻かれていた。目もくりくりしていて愛くるしい。にこ、と笑う姿は童話に出てくるお姫様のようだ。
お姫様。どうやら間違っていないらしい。この辺で有名なお嬢様学校の制服を着ている。

「大河内まりあです。よろしくお願い致しますわ。高校二年よ」
「…あ、えっと…闇城月子…一年です」
「ああ、そんなに堅くならないで。此処では年齢は関係ありませんの。どうぞ、まりあとお呼び下さいませ、月子ちゃん」
「……まりあ…」

にこにこ笑うまりあは本当に可愛い。育ちの良さが伺えた。…だからと言って仲良くするかと聞かれたら勿論しない。

「皆さん。今日からまたライバルが増えましてよ。闇城月子ちゃんですわ」

まりあの周りに集まって来た彼女の仲間であろう女子たちに伝えた。
まりあの仲間は沢山いた。流石はお嬢様。同じ学校じゃない子たちも仲間か。
ふと、何だか違和感を覚える。なんだ、この…制服の少女たちに不似合いな物は。この子たちだけではない。みんな、そうだ。

何故、武器を手にしている…?


ピンポンパンポーン。


『みんな元気かな〜?あ、そうそう。今日から鈴木学園大戦争に参加される生徒たちへ〜!至急、鈴木のもとへ来てください〜』


鈴木学園大戦争?どういうことだろうか。
首を傾げながらまりあの方を向くと、彼女は先ほどと同じように可愛らしい笑顔を作った。

「さ、鈴木氏のもとへ行ってらっしゃいな」



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