探偵「…」

トゥルーシャ「…言いたくなければいいよ、言わなくても」

探偵「…そうですね、怖くて悲しい人を愛する殺人鬼ですね」

トゥルーシャ「…それは、他の人の意見でしょ?探偵くん★」

探偵「おや、鋭い意見ですね。さすがは軍人しかも大佐ってところ…ですかね。そうですね、私に…いや、僕にとって彼女は…僕の大切な方の命を奪った容疑者の一人かな。」

トゥルーシャ「ふーん。(目敏いな)名も無き探偵さん」

探偵「はい?」

トゥルーシャ「僕、その女の子あっちで見たよ。凄く可愛い子だったからさー実は覚えていたり。ごめんねー。職業柄人の素性を知ってからじゃないと情報を与えたくないもので。入り口付近の林檎飴屋さんにいたよー。早く行った方がいいよ」

と屋台の方をさす。

探偵「ふむ、そうですか。ありがとうございます。あっ、私も実は貴方に秘密にしていました。名前があります。黄川日 夕暮。もし何かお困りでしたら、探偵事務所に訪問してください。それでは」

と黄川日 夕暮は名刺を出して去っていった。トゥルーシャは、ベンチに座りまだ終わらぬ花火を見ながら夕暮の気配が無くなるまで待ち、気配が無くなってからクスクスと笑う。

トゥルーシャ「なんだ、やっぱり名前あるじゃないか。僕が嘘を吐いたのは、僕に嘘ついた罰よ。それに、僕、女の子贔屓だから。ごめんねー黄川日くん。」

とトゥルーシャは、名刺を見て笑い名刺をポケットに入れた。

1、足音がする

2、さて、花火も見たし帰ろうかな






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