第2章 02話


ーなんで。なんで。なんで。

なんで、絹先がなくなってる?
なんで、学校も家もない?
なんで、全て灰になっている?
なんで、合間の…斎の父ちゃんが殺されている?
どうして、俺は目が覚めたら紫木月家本家に戻っていた?

分からない。分からない。分からない。

最後に覚えているのは、合間…斎とみーの…なんだっけ?
忘れた。
それより斎は、死んだ?
斎は生きてる?
みーは?みーはどこ?
みんな焼けていたから、だれかだれかが分からない。
だけど、斎は紫木月じゃないから。
ましてや、ハンターや黄川日でもないから。
普通の女の子で普通に暮らしていて
普通に笑っていたから。

だから、斎はもうこの世にいない。
斎は、死んだんだ。

普段なら、斎の気配がないことに気づかないはずはない。
ただ、俺は混乱していて。
撹乱していて。
雨が降ってるし、ビショビショになって気持ち悪いけど走って走って走って。
無我夢中になってがむしゃらになって我を忘れて走っている。
ビルとビルをかけぬけて。
車より早く走って。
消えかけているみーの気配を追っている。

みーを…濔音を必死で捜してるんだ。

早く濔音に会わないと。 
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