「濔音?」
その時、顔が真っ青になってふるえていることに気付く。こいつ?こんなに顔色悪かったけ。黒斗は、濔音のおでこを触る。熱はない。車に酔ったのか?いや、酔ったとしたら体は震えないだろ?じゃあなんでだ?その時、濔音は、小さな口を動かす。か細い声だ。黒斗には、その声が届かなかった。声が絞り出せきれなかった濔音は、車のドアを開けようとした。だが、ロックがかかっているので無理だ。がちゃがちゃがちゃっ!
「早く出してっ!!」
声を荒げた。「おい?どうした?」
「もう、ダメ!限界だ。お願い出してっ」黒斗を涙目で見る濔音。息が苦しそうだ。濔音は、黒斗に倒れた。
ーー車に乗ってから俺に顔を見せなかったのは、顔色を見せたくなかったからか。黒斗は、そう思いながら濔音をかかえ外に出た。

「ん?軽…。食べてるのか?こいつ」

高槻市高級マンションSKYS。46階の一番奥の部屋。そこが、黒斗の部屋だ。セキュリティシステムになっているので、指紋認証し自動ドアが開れる。エレベーターで46階まであがり部屋の鍵を開け部屋の中に入る。電気をつけて、玄関から奥の寝室へ行き濔音をベットに寝かせる。
苦そうにしている濔音の姿を見て、外套を外した。
外套を外したら、黒のレースの長袖を着ていた。胸元には、紫色のリボンが着いている。下は、黒のスカートだった。「へぇ。意外に可愛い服着てるじゃん」と黒斗はマジマジ見ながら靴を脱がす。しかし。可愛い服とは裏腹に靴ベラには、物騒な暗器がつけられていた。盗聴器や小型ナイフ。外套の中にも多種多様な人を殺めるための道具が隠れていた。もちろん、合間を殺害したバタフライナイフも入っている。
「武器ばっかりじゃねぇか。殺人鬼も楽じゃねぇな」
呟いた。
「…まぁね…。」
「うわぁっ。お…起きてたのか。」
黒斗は、完全に気を失っていると思っていた相手から、返事が返ってきたので少々驚く。
「…そうだね、君が勝手に僕の外套を脱がしたあたりからかな。」
濔音は、頭を抑えながら上半身を起こすが足に力が入らずベットに倒れる。真っ赤なベットだ。まるで血のようなベットから身を起こせない。

「外に出ようなんざ思うなよ。」

黒斗は、濔音の肩をぐっと持ち身動きがとれなくなるようにする。濔音の頬をや首を触り妖艶に笑う。肌は白くて滑らかだ。その白に赤い印をつけてやろうか。そう思った時。白く細い手で黒斗の腕を持たれる濔音は、挑発的に微笑み口を動かす。

「別に。逃げないよ。君が僕にサングラスを返してくれるまでは」

ふいをつかれた。こいつにこんな余裕は無いだろ。なのに、動揺を見せない。今からポーカーフェイスを装い駆け引きしようとしている目だ。こいつ、さっきまでの気分悪そうな顔は何処にいったのだろうか。

「おいおい、一度盗んだ物を返す馬鹿はいないぜ」
「そうかい。なら全力で君を愛して殺すよ」
「は、面白ぇ。じゃあfuckでもして俺を殺すか?まあ、むしろ。俺がお前をイカして壊して嫁にいけないくらい抱いてやる」

黒斗は、濔音の服についているリボンを外し胸元を見ながら、細い腕を持ちあげ、首元を舐める。反応すると思ったが全く反応していない。

「ねぇ、黒白黒斗くん。君はどうして怪盗なんかやってるんだい?」

濔音の下着を外し胸に手を置こうとした時だった。聞かれたのは。

「高級マンションに住んでいるってことは経済的には困っていないってことだろ。つまり、何か目的があって怪盗をしているんじゃないかい?」

「…はぁ」
黒斗は、濔音の隣りに寝転ぶ。
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