右半分純白の髪と左半分漆黒の髪。右耳にはオニキスのピアス。左耳にはオパールのピアス。左目には黒の皮の眼帯。長身の男だった。身長は少なくとも180cmはあるだろう。服装は白のシャツと黒のダメージつきズボン。それに黒曜石のついたサンダルだ。そして、右手には濔音が愛用しているサングラス。

「…っ。…強引だね。サングラス返してくれるかい?」


濔音の頬が林檎のように朱に染まる。初対面の男に自分の顔を見られた。濔音は、羞恥に満ちた顔で男を睨んだ。

「…悪くねぇな。その顔。欲情する。」

「欲情って…君は変態親父かい?」
「変態親父じゃねぇよ。怪盗だ。黒白黒斗(こくはくこくと)。24才。超絶美形の足長お兄さん」
「どう見たってロリコンで変態親父じゃないかい。どうでもいいから、早くグラサン返しなよ。」
「ロリコンとは失礼だな。お前何歳だ?」
「12才だよ」
「…悪い。人違いだ。」
黒白黒斗は濔音の横を通りすぎようとした。すかさず、濔音は、黒白黒斗の服を持った。
「待ってよ。僕のグラサン返して。お気に入りなんだ」
「12才の小娘が似合わねーグラサンなんかしてんじゃねぇよ。ってゆーか、このグラサン、ブランド物じゃねぇか。ガキが持つもんじゃねぇ。俺が貰っといてやるよ。」
「君、初対面なのに図々しいね。怪盗だからかい?怪盗は、闇に紛れながらもダイナミックな演出をしてくれる紳士的な盗賊だと思っていたけど…君の場合ただのチンピラだね。怪盗は、予告状を書くのが主流だよ。拍手の前に予告状を用意してから来るんだね。」
「それじゃあかの有名な怪盗紳士のアイデンティティじゃねぇか。俺はそんなことしない。俺のアイデンティティ壊すんじゃねぇよ」
「…なら僕のアイデンティティも壊さないでくれるかい?グラサンと外套は僕の一部であって一心同体であって以心伝心なんだよ。」
「って、そんなことあってたまるかっ!!以心伝心するわけねぇだろ!!四字熟語間違えるなボケっ」
「間違えてないよ。グラサンから僕に伝わって聞こえてくるんだ。『僕が目になろう』って」
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