紫木月濔音は、暁色の月光の下でにっこりと笑った。

「僕が、殺したからだよ」

「!?…うそ…だろ」

「うそじゃないよ。
君のお嬢さんだけじゃない。ここにいる、すべての人たちを皆殺し。全て焼いちゃった。てへっ。」

「てへ」と愛らしく笑って言っても、言っていることは全然可愛いくない。
意味が分からない。この子どもが殺したというのか?子どもが…人を…家を?

「…そのことと…人を殺すことに意味があるのか…?子どもなのに…」

子どもなのに。
子どもだから。

クスクスと濔音は笑う。

「やだなぁ、僕にとって人を知り愛すことは、人を殺すことと同じなんだ。
要するに、『殺人=(equal)愛人』。だから殺人&全焼した動機は、『この町を愛してしまった』からさ。」

「そんな…馬鹿…なことが…そんな理由でそんなことの理由で…家族も町も…俺は全てを失ったのか…」

この子が憎い。この子が怖い。それと同時に悲しい。
合間は地面に手をつきはらはらと泣いた。その時。濔音は合間の頭を優しく抱き締めた。


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