焼けた跡には、何も残らない。財産、名誉、地位、生活、人、動物(ペット)、命、物、家、家族。全てが灰となり塵になる。合間嗄荳(あいまあいず)は立ち尽くしていた。茫然自失。当たり前だ。家主である、合間は全てを失ったのだから。合間は、そこにひざまついた。
「家が…家が」
どうしてこんなことになったのだろうか。
いつものように、会社へ行って。
いつものように、会社で仕事して。
いつものように、会社から家へ戻ってきた。
なのに全て焼け野原。
警察は?
消防車は?
救急車は?
全てない。
当たり前だ。


此所の地域一体が焼け付しているのだから。
そこに、悠然と立っている少年がいた。少年?少年なのか少女なのかよく分からない。顔はここからではよく見えない。背丈は、合間が愛してやまない娘と同じ背丈だ。

「斎(いつき)…斎か!?」

もしかして、と思い合間は自分の娘の名前を叫んだ。「良かった。生きていた…」合間は、ひざまついていた足を立たせ娘らしき人物に近付いていく。しかし。



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