人は云う。
『紫木月』には近付くな。
『紫木月』には逆らうな。
『紫木月』は狂人家族。
『紫木月』は猟奇家族。
『紫木月』は殺人一家。
『紫木月』はどうしようもなく、分からない。
関わったら全てを失う殺人鬼。
殺人鬼に同情はいらない。
殺人鬼に愛はいらない。
殺人鬼に愛は必要ない。
殺人鬼に同情するな。
殺人鬼は同情する価値もない。
と、人々は皆云う。
だけど、
俺はどうしようもなくそれが面白くてたまらない。
それは、外部の理論的な概念だから。
実際に『紫木月』家は
違う考えなのだから。
むしろ、
人一倍、人を愛していて
人一倍、人を殺すのだから。
俺は『紫木月』家に生まれてきたことに悔いはない。
むしろ、『紫木月』家に生まれてきたことに感謝している。
ありがとう。
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