「今夜だけでいいから…
抱いていい?」

その言葉と同時に、俺は親友に押し倒されていた。強く押し倒され、頭を打ったが、草叢がクッションになり、そんなに痛くはなかった。だが、親友の辛そうな顔は俺の胸が締め付けられる。親友が躊躇しながら、俺を見るのは初めてだ。いつもだったら、眼鏡の奥にある瞳は、真っ直ぐと前を見据えてるから。

「好きにしろよ。あんたに任せる。まあ、あ…あんたが嫌なら俺が…」

俺があんたを抱くぞ?
そう言いかけた。何を言ってるんだ俺は。恥ずかしくなって、そっぽを向こうとした途端、親友に深くキスをされる。激しいキス。濃厚なキス。駄目だ。頭がおかしくなる。離れた時、銀の糸を這った。息一つ乱れていない親友が、はぁはぁと息を乱れている俺に言った。

「…嫌だったら誘わないよ、アッシュ。」

優しい声で囁いてから、親友は上着を脱ぎ捨て、俺の黒い服を脱がしていく。

「君何枚服着てるの?」

親友はくすくすと笑った。

「10枚」

「脱がしにくいねー。暑くないの?」

「俺も気付いたらここに…ん」

「…来てたんだね?」

親友は、俺のトップスを脱がすのを諦めたらしく、俺の腕を持ち後ろを向かせ、ボトムスを脱がされた。途端、羞恥と不安が一気に溢れ出てきた。親友と性行為することで、関係が壊れないだろうか。親友には抱かれた経験があることを黙っていた。何故なら、親友はいつも俺を守ってくれたから。

軽蔑…されないだろうか。

言葉が脳裏に過った。怖くなってきた。きっと身体が反応して、すぐに俺が抱かれたことがあるのを知られてしまう。怖い。親友の指が俺の尻の中に指を挿れようとした。

「トゥールシャ!やっぱり…俺が攻めていいか!?」


言葉を出したら親友…トゥルーシャに後ろから抱きしめられた。

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