?「そこまでだ、マスター」

高くもなく低くくもない、美しい声が響く。トゥールシャは、目を見開いた。銀髪の長い髪で、額に三日月の痣。何より目立つのは首につけているゴツゴツした合金の首輪。長い足に、華奢な身体。美しい男。男がトゥールシャが行くのを遮り罪惡が作った結界をいとも簡単に破り入っていく。

罪惡『愛人…ああ愛人(あいひと)ではないですか。やっと来ましたね。』

愛人「いやー祭りを愉しまなきゃ損だと思いまして。マスターはマスターで可愛い子を口説いてたの?」

罪惡は、濔音を離し愛人の腰を引き寄せキスをしようとするが、愛人は右手で罪惡の口を塞ぐ。

愛人「待った。よく見るとその子、俺の家族。契約を守らない方は、俺とチューは出来ません」

罪惡は、愛人の手を持つ。

罪惡「愛人。そちらのお嬢さんとは家族以外でどういうご関係なのですか?暗器がご一緒でしたよ?」

愛人「大事な妹だよ、マスター。それ以上もそれ以下もない。紫木月だし、武器位被るよな?濔音」

濔音「…ああ…」

罪惡『なるほど、妹さんでしたか。愛歌以外にきょうだいがいらっしゃるとは』

愛人「濔音が生まれる前に家を出たから、濔音が俺を覚えている訳ないよな?ところで、マスター。契約を守らなかったら俺は自害するって言ったよな?」

罪惡『私の側から離れるのですか?それは…』

愛人「三分だ。俺に時間を頂戴な。そしたら俺は貴方のもとへ帰るよ」

罪惡『いいでしょう』
罪惡は去った。去って間もなく。濔音は口を開く。

濔音「…君は、僕の血の繋がった兄ではないよね。とっさに君が吐いた嘘」

愛人「そうそう。俺は弟しかいないから」

濔音「…君は、兄というより…」
愛人は、音を立てず濔音の間合いに行き首にとんっと手をあて濔音を気を失わせる。濔音の身体は、壁に寄りかかった。彼女は、ぐったりとしている。

愛人「この世界では、俺のことをまだ君は知らなくていい。…そう思わないかい?大佐殿?」

ー今度は、僕の方を向いて愛人は、聞いてきた。僕はふいをつかれたが平然と応える。

トゥールシャ「そうだね、まっ、僕は関係ないけどね。
濔音ちゃんどうするの?」

愛人「ああ、それは心配無用だよ。じき家族か、怪盗が迎えにくる。では、俺は変態性欲同性愛主義史上最低最悪主人の元へ帰るとしますか。もう3分だしねー」

トゥールシャ「ははは★」

愛人「じゃあな、大佐殿」

愛人は、去ろうした時。


1、「濔音!!」

2、「兄貴…」

3、「トゥールシャさん」

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