濔音は、壁によりかかり息を荒くしていると、トゥルーシャより早く来たのは黒斗だった。黒斗は、顔や身体が傷だらけで、服が切り裂かれている。濔音は、驚いた顔をして黒斗を見た。

濔音「…傷だらけじゃないかい!?大丈夫…」

黒斗は濔音をぐっと引き寄せ抱き締める。濔音は、大きく目を見開いた。

黒斗「遅くなった。すまねえ」

濔音「!… それより早く君の傷を手当てしないといけないよ…」

濔音は小さな身体で、抵抗していた。僅かな震え。

濔音「離せよ!!黒斗くん!!!」

黒斗「いーのか?離したらお前の裸丸見えだぞ?」

濔音は、はっと気づいたようにし真っ赤になる。ー濔音ちゃんのほうがダルメシアンより深手をおっているのになぁ。だから、ダルメシアンは安易に大丈夫?や平気かなんて聞けないんだろう。

濔音「…。その怪我は」

黒斗「ん?転んだ」

濔音「嘘。大方、麻薬中毒の男たちを倒してから結界を破ろうとしてくれていたんだろ?その証拠に、切り傷と微かな大麻の移り香がする。この切り傷だって麻薬中毒の男の一人が持っていたものだし。何より今も誰も来てない…」

黒斗は、濔音の言葉を防ぐようにキスをする。優しく触れるだけのキスだ。

濔音「「遅くなった。すまねえ」って戦ってくれてたから出る言葉だろ?…」

次は強引なキスで、濔音を黙らせる。
数分の間長いキスをしているので、トゥルーシャは目を逸らし去る。

ーはいはい、邪魔者は消えますよーだ。

1、川沿いヘ

2、黒斗サイドへ




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