パチンっ。罪惡は、濔音の頬を殴った。
濔音は、平静に睨んだままだ。

罪惡『おや泣きませんね。紫木月は気の強い女性が多いですね』

濔音「そうでもないよ。紫木月も普通の女性に変わりはない。」

罪惡『ほう?では、貴女は?襲われたらどういう反応するか見てみたいものですね?』

濔音「僕を襲う?やめておきな。大量虐殺が勃発し、警察に捕まるよ?そしたら、君の出世街道が全て水の泡だ。」

罪惡『では、この者たちが君を襲うなら?私は、名前や素性を貴女に知られていますが、この者たちは知らないはずだ。紫木月は、人を知り人を愛すと人を殺してしまう殺人鬼ですからね』

濔音「…ふ。僕が何も用意せずに敵の陣地に入りこむ馬鹿な女だと思うかい?
事前にここの住民達の顔と名前と誕生日、性格etc全て記憶している。例えば僕を捕まえている、後ろの男性は、喜一雑音。16歳。ホームレス。好きな食べ物は、昔一度だけ食べた母親の煮物。12の頃に罪惡に拾われた」

喜一雑音と呼ばれた男は、「ひいっ」と唸り濔音を離す。
濔音は、ふっと笑い次々に指名をし男たちの素性を明かしていく。

トゥールシャ「で…デスノートみたい…」

例え、ヤク中でも死ぬのは怖いのか?トゥールシャはそう思った。しかし、それだけじゃないだろう。濔音のミステリアスな雰囲気にやられているのだ。まるで、近づいては危険だと条件反射で察知させるような感覚を与えている。ほら、その証拠に濔音の周りには誰も人が近づけていない。

濔音「さて、罪惡くん。僕を襲っても彼等が死ぬ。そして、もし僕を殺したら僕の猟奇的殺人鬼一家が黙っていないよ?さぁ?どうする?襲っても同じことだ」

花火の光が濔音を照らす。まるで美しい女神のような微笑みを浮かべている。ーああ。これは。黒白黒斗が心酔してるのも分かる。罪惡水留魔も他の連中も僕でさえも12歳の少女に見惚れている。濔音の静かな微笑みは美しかった。

罪惡『ふはははははは。成程。私は女性は興味ないですし死にたくないのですがね』

罪惡『どうやら、私は貴女のことが気に入りました。私のものにおなりなさい。』
濔音にゆっくりと近づく。あの男。目が本気だ。見てるトゥールシャは身震いする。濔音は、眉をひそめ一歩後ろに引いた。

濔音「お生憎様。僕は、誰のものにもならない」

罪惡『そうですか。なら仕方ありません。全力で貴女を私のものにします』

1、ああもう!見られない!TOPへ帰ろう!

2、「濔音ちゃん!」トゥールシャは行こうとした。





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