トゥールシャは、下手に近づかない方がいいと察知しゴスロリ少女を助けるのを堪えた。男は、ゴスロリ少女にナイフでもう一度切ろうした時だ。

いきなりナイフが飛んできた。男の手が止まる。ゴスロリ少女は、はっとし急いで去っていった。

?『暗器ですか…。逃がしちゃいましたよ。どうしてくれる?紫木月愛人(あいひと〕』

ー愛人?トゥールシャは誰だろと思い辺りを捜すが見えない。しかし、男は分かったようで、その人物がいる方向に爆弾を投げた。

?『隠れていないで、さっさと出てこい。…ん?』

出てきたのは銀髪で浴衣を着ている少女濔音だった。可愛いらしいピンクの浴衣とは裏腹に男を睨んでいる。爆風には当たったはずなのにかすり傷の一つない。濔音は笑った。

濔音「愛人?僕は、愛人ではないよ?それより、僕のいとこに、よくも怪我させてくれたね?この借りは百倍にして返させてもら…」

?『おや?どうして、同じ暗器を所有しているのでしょう』

濔音「!?…どういうことだい?」

?『いえ、こちらの話です。私の名前は罪惡水留魔(ざいあくみるま)。以後見知りおきを。』

濔音「…罪惡水留魔…裏世界の住人、大麻取引大手会社のドンだね。噂はかねがね聞いている。確か処理カンのトップとも繋がっているとか。まさに罪悪感たっぷりの残念な人だね」

罪悪『素晴らしい!聡明で情報量が豊富ですね。ますます、愛人みたいだよ』

濔音「お褒めにあずかりなんとやらって感じだね?だけど、僕に褒めたってなんも出てこないよ?どうして、紫木月を襲った?」

罪惡「それはですね」

いきなり、大麻所有者の男達が濔音を後ろから掴む。トゥールシャは飛び出たが、結界が張られていて中に入れない。

トゥールシャ「くそっ」

トゥールシャ、濔音を見る。濔音はあくまでも冷静で、じっと見ている。動揺の顔を見せない彼女は、一体何を考えてるのか皆目検討もつかなかった。

罪惡『紫木月の生態が知りたかったからですよ。』

濔音の顎を上げる。濔音はずっと睨んでいる。濔音は言った。

1、へえ、それで彼女を襲ったのかい?とんだ最低野郎だね。

2、へえ、変態だね。

3、TOPへ



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