トゥールシャは、川沿いへ着いた。そして自分の手を見る。震えてる。そんな自分を馬鹿にするように嗤った。
トゥールシャ「ははは。笑わせるね。」
ー僕が震えてる。この僕が。
ギュッと手を握りしめた。
ー緊張?身震い?恐れ?恐怖?薬の副作用?
違う。違う。違う。どれも違う。
ー快楽だ。たかがあいつのキスに感じられずにはいられなかった。その証拠に、あの危険な男に体が反応し、自分からキスを求めた。そして、今でも体は素直に反応している。身体全身がゾクゾクしていてなんだか変な気分だ。まるで毒にやられているような。
否。毒じゃない。これは、媚薬のようなー。
ガサガサ
トゥールシャ「!?誰だ!?」
剣を向けた。
?「うわ…トゥールシャ?」
トゥールシャ「!?アッシュ!?」
アッシュの顔を見て震えが止まった。安心した。しかし、後からくるどっと押し寄せる罪悪感。ーアッシュに剣を向けるなんて罪悪だ。
でも剣はおろさない。
トゥールシャ「ー…アッシュ。ごめん、今一人に…してくれないかな?」
アッシュ「…」
アッシュはじっと見て一言。
アッシュ「上着ないな」
ずるっ
トゥールシャ「否、最初に…突っ込む所そこじゃないよね?!?アッシュ!?」
アッシュは、剣の切っ先を持ちながら、自分の手袋を口でとる。そこからトゥルーシャのおでこを触った。アッシュの手は、異常に真っ白で美しい。あたりまえだ。ずっと、手袋をつけているから。日なんて当たらないし、特性の手袋だから剣だこなんてない。長くなて美しい手だ。
トゥールシャ「ー初めてみた。アッシュの生手」
アッシュの手がおでこから、頬にさ
しかかった時、ビクッと身体が跳ね上がる。また、身体がゾクゾクして熱くなる。ーどうしよう、アッシュを滅茶苦茶に犯しそうだ。
アッシュ「生手って。トゥールシャ。顔赤いぞ?」
トゥールシャ「アッシュの手。気持ちいいよ。ーっ…熱。あるから、近づかないで。(あーこれ、絶対媚薬だよー)まあ、たいしたことない…」
アッシュ「…何がたいしたことないだ!!全然たいしたことあるだろ!!眼鏡もないし、上着ないし、熱あるし本当に大丈夫なのか?」
トゥールシャ「アッシュ、これは命令。違うとこに行って」
アッシュ「分かった」
そう言ってアッシュはシュンッとして去る。ごめんね、アッシュ。これは、媚薬なんだよ。飲まされたっていうより、多分罪惡の舌に媚薬効果があったんだろうな。なんて、アッシュには絶対言えないし。何よりアッシュを抱きたくなかったんだ。
好きだから。
親友だから。
僕の一番だから。
数分後
ガサガサとする音がする。
1、誰だろう?
2、逃げないと(TOPへ)