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「私、かくれんぼ嫌い」

「なんで?」

「見つけて貰えないの、嫌いだから」

「ふーん」


クダリはそう興味なさげに言うと、手にしていた雑誌にまた目を落とした。

あまりに素っ気ない返事だったから一発殴ってやろうかと思ったが、うつ伏せに寝ている私の背中にクダリのバチュルが寝ているから無闇に動けない。


(クダリ…バチュルが起きたら覚悟しろよ…)


私がそんな闘志に燃えているのに気付いているのかいないのか、クダリはぱらりぱらりと雑誌を捲っていく。


「ねぇ、理由聞いといてふーんだけって酷くない?」

「そう?」

「そうだよ」


私の不満にクダリは何が面白かったのか、雑誌から私に目を向けて口角の上がった口を更にあげた。


「んー…とりあえず、これからはかくれんぼ、怖くないよ」

「?」



私の頭を優しく撫でクダリはそう呟いた。



「だってボク、きっとキミのいる場所なんてすぐに分かっちゃうからね」



何だ全く!

にひゃりと笑ってそんなこと言うなんて反則じゃないか。


ダルマッカのように赤く染まった自分の頬を隠すように、私はベッドに顔を埋めるしか出来なかった。





クダリはまだ私の頭を撫でる。


ちくしょう…雑誌でも読んでろバカクダリ。








何故か起きたばかりのバチュルが背中で嬉しそうに鳴いていた。




私を見つけて!
王子様!




2013.12.22 収納



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