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※クダリ視点



ぼくにはふたごの兄弟がいて、ノボリってお兄ちゃんがいる。

ノボリはいつも眉間にしわを寄せてて、口をへの字にしてるけどホントはとっても優しいお兄ちゃん。


ぼく数字には得意だけど書類は苦手。

でもノボリはぼくと違って、書類かくのとっても早くてすごいんだ。




でもね、ノボリにも弱点ある。

それはね、恋愛。



最近気付いたんだけど、ノボリったらある女の子に自分の恋愛相談してるみたい。

その女の子はね、ぼくも知ってるアオイちゃんだったの。

ビックリだよね。


だってアオイちゃん、ノボリのこと好きなのに恋愛相談してるんだもん。

ぼく、それ知ってすっごいビックリ。



でも好きな人の幸せ願っちゃうのぼくにもわかる。

でもそれ、とっても自分に辛い選択。

アオイちゃんのココロ、いっぱい泣いてるはずなんだ。



ノボリはぼくに恋愛のはなししない。

だからノボリ、ぼくがヒナちゃんのこと知らないって思ってる。

でもそれって間違い。

ぼく、人の感情に敏感だからすぐわかっちゃった。



ノボリのも、アオイちゃんのも。



2人ともとっても恋愛に不器用。

追いかけあってちゃ絶対つかまらないのに。




ノボリがぼくにひみつ教えてくれないから、ぼくもノボリにすっごいひみつ作っちゃった。

でもアオイちゃんにはこっそり教えちゃおうかな。








「ねぇねぇ、アオイちゃん」

「どうしたんですか?クダリさん」




きょとんとぼくを上目遣いするアオイちゃん。

なんだかちょっとジョウト地方にいるオタチみたい。

思わず頭なでたらわらってぼくの名前呼ぶ。



あーあ、ノボリってばバカみたい。

こんないい子に想われてるのに、他の子好きになっちゃうんだから。


(でも、ぼく、ヒナちゃんのことはなーんも知らないからお互いさま?)



「アオイちゃんに、ぼくのひみつ、教えあげるね」

「?はい?」



いつも以上に自分の口がつりあがってるのがわかっちゃう。

あぁ、ぼくってもしかして悪い子なのかな。




「ヒナちゃんって、ね」

「!?」



アオイちゃんが息をのむ。


そうだよね、だってヒナちゃんはノボリの好きな人。

それでノボリはアオイちゃんの好きな人。






「お付き合いしてる男性、いるんだって」





ぼくの言葉聞いて、アオイちゃんは泣きそうな顔した。

(さっきまで笑ってたのに、ノボリの恋愛になると、すぐ、こう)








あぁやっぱりノボリはバカだね、自分をこんなに想ってくれる子が近くにいるんだよ。








ねぇねぇおバカなお兄ちゃん
彼女を幸せにしてちょうだい




2011.10.12



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