About Sagittarius 彼がシュートをすると、美しいフォームに時間が止まる バン、と大きな音をしてバックボードにあたった茶色のバスケットボールはくるくると回ってリングを通過した。 「ナイスシュート木ノ瀬！」 そう言って長身のチームメイトにがしがしと頭を撫でられるのを嫌そうに顔を顰め、手を払いのけた。 夏と冬の大会前になると、決して強い訳ではない男子バスケットボール部に助っ人として練習に参加する男の子、彼が決して強い訳ではない部活をそこそこ強い部活にしてくれている。 私の中学校では男子バスケットボール部と女子バスケットボール部が体育館を半分、緑色のネットで区切っていつも練習をしていた。 彼が練習に参加する年に二回の期間、 身長170無い彼が高く跳ぶ それをネット越しに見るのが好きだ。 ぼうっと男子の方を見ていると友人に足を踏まれた。 そんな今も、木ノ瀬梓が宙を舞う [←] | [→] ×
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