※黒黒



ふとカルルは足を止めた。オリエントタウンのメインストリートを少し外れた細い路地、そこに彼が居た。
辺りは薄暗い闇に包まれていて、彼もまた黒衣を纏い周りに溶け込んでしまうんじゃないかとカルルは思ったが、視線を向けたら目が、放せなくなった。

漆黒の髪に漆黒の服、紅と蒼のオッドアイ、その体格に少し不釣り合いな大剣。あぁ、この人を僕は『知っている』。直接ではないけれど。そう、感じた。

「何だ?此処はガキの来る所じゃねーぞ」
「刺激が欲しいんですよ。生と死のギリギリを渡るような、刺激が」
「へぇ…」
「ねぇ、『死神』さん。貴方は僕を満足させてくれますか…?」

スッ、と深紅の目を細めると死神もオッドアイを細め、ニイと笑みを浮かべた。









求めていた欲が満たされてゆく感覚はいつ感じてもたまらない。乾いた大地に水を与えた様な、そんな感覚。死神の斬撃を受け止める度に、全身の細胞が歓喜する。

「ハッ、ぁ…っ!」
「オラどうした?もう満足した訳じゃねーだろ?」
「えぇ、勿論です。むしろ足りないくらいですよ」

そう、まだ、まだ足りない。あの『お兄さん』はこんなものじゃなかった。冷たく鋭く刺すような、あの感覚か忘れられない。

「もっと、もっとぶつけてみて下さいよ!貴方が力を抑えている事は、知ってるんですから」
「そうか…。じゃあお前も俺を誰かと重ねるのは止めな」
「バレてました?」
「あぁ」
「ふふっ…じゃあ僕の覚えている、この記憶を塗り潰すくらいの刺激を下さい。もっと僕を楽しませて下さい!」

夜明けまでの時間はまだ長い。今夜は楽しくなりそうだなぁ、そう思いカルルはペロリと乾いた唇を嘗めた。



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黒ラグナ+黒カルルのお話でした
黒カルルは強い人が大好きなので、強い人を見つけちゃうとナンパして「もっと!もっと!まだ足りないのぉっ!」って刺激を求める淫乱ビッチな感じです。あくまで感じ、イメージ。実際はビッチじゃないよ!言っときますが(笑)







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