※愛を紡ぐは罪なのか


手に当たる、柔らかく暖かい感触にぞわりとする。それは嫌悪等という負の感覚では無く、どこか満たされる様だった。
自分よりも華奢で、幼く、小さな体を打つ。

(あぁ。あたたかい)

幼いカルルの体に暴力を加える度に、空っぽな心に感情が芽生える。この満たされる様な温かな感情は何なのだろう?浮かんでは消えてゆく疑問を追い求めるかの様に、再び幼い体を打つ。何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!


口の端が切れたのか、握りしめた手に僅かな血痕。血…血だ。血液、血液、血血血血血何故かそれが嬉しくて堪らない。真っ白で幼い柔肌に鮮やかな紅が映える。白に紅、所々に散らす様な青黒い痣、そして先程付けた赤黒い首の輪。

全てが混ざり合ってひとつの、至高の芸術作品の様に己の目には映った。

(もっと…もっと!)

何を「もっと」と求めるのかすら自分には分からなかった。ただ、この行為を続けていればそれが分かるのではないかという期待。

「ラ…グナ、さ…」

呻くような、か細い声が細い喉から絞り出された。その声にハッと思考を現実に引き戻される。

あぁ、何て痛ましい姿なんだ!目前のカルルの姿を見てそう、思った。しかし、そうしたのは誰でもない、自分自身なのにどこか他人事の様にも思えた。まるで心が2つに裂けてしまったみたいに。

心は、謝罪を。許されないと分かってはいるけれど、言わずにはいられない謝罪の言葉を。
体は、暴力を。心では止めたいと思っても、体はそして心は求めている。衝動のままに拳を振るう。

(こんな事、したくないのに)

心と体のバランスが保てない。あぁいっそバラバラになって壊れてしまえば、これ以上カルルが苦しむ事も無いのに。でも離れる事が出来ないのは自分自身が1番知っている。
カルルはこんな自分を受け入れ許すのだ。どんな事をしようとも、優しく微笑んで抱き締めてくれる。

(カルル、君は今幸せかい…?)



許しを乞い、暴行を続けるほんの合間、俺はカルルのボロボロになった幼い体をきつくきつく抱き締めた。


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若干文が対象になってないけど気にしたら負けwww
周りから見れば明らかに不幸かもしれないけれど、当の本人達が幸せならこれもまた幸せなのだろうって話。






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