あなたのささやかな行動すべてが僕のを揺さぶる




見つめられたい
(だから声を大にして貴方の名前を呼んだ)

声を聞きたい
(だから特に用も無いのに貴方の名前を口にした)

触れてみたい
(だから必ず書類は貴方に手渡しをする)



もっと、一緒の時間を過ごしたい
(だから意味もなく放課後の生徒会室に残ってみたり)





これは許されない感情なんです。
だからせめて、せめて僕の心の中では美しく輝く記憶となって欲しいから…。









「あ、キサラギ先輩。そろそろ見回りの時間じゃないですか?」

生徒会室の壁掛け時計を見て、僕は机を挟んだ向かい側に座る先輩へと尋ねた。

「そうだな…行こうか」
「はい!」

呼ばれて後ろをついて行くと、ふわりと首にかかる感触。
よくよく見ればそれはマフラーで、窓の外を見れば僅かだが白く雪がちらついていた。体を気遣ってくれた事に、自然と涙が溢れそうになった。
ゆっくりと深呼吸をして感情を落ち着かせる。そして「ありがとうございます」と言えば、先輩は一瞬、不思議そうな表情を浮かべだけど見間違いかと納得した様に先に部屋から出ていった。




あぁ、僕いつもみたいに笑えてなかった。


でも、これは気付かれちゃいけないんだ。

いけないんだ…。




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士官学校ジンカル

むしろジン←カル






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