※幼少期捏造



「とうさん、またおしごとなの?」
「そうよ。だから邪魔しない様にね、カルル」
「やだ!ぼく、とうさんとあそびたい!」

駄々をこねる様にふるふると首を横に振る少年…カルルは姉のエイダを困らせる最大級のわがままを言ってみせた。

「カルル…お父様はお仕事で忙しいの。迷惑をかけちゃダメよ。そのかわり、姉さんと遊びましょう、ね?」
「やぁ…ねえさんとはいつも遊んでるもん…!とうさんがいいんだもん!」

いやだの一点張りで譲ろうとしないカルルにエイダは困り果ててしまい、仕方が無く父親の仕事場へとカルルを連れて行く。

コンコンと控えめなノックの後、

「お父様、エイダです」

と言うと、静かに扉は開き外で待つ2人を招き入れる。

「カルル…邪魔だけは「何の用だ、エイダ」

作業の手は止めず淡々と喋る父親。それに答えようと口を開くが、その前にカルルが嬉しそうに話す。

「とうさん、ねぇ今どんなにんぎょうをつくっているの?」

無邪気に尋ねたカルルの言葉に父親は緩く笑みを作り、息子を作業机へと手招く。

「きれいなおにんぎょうさん…」

机の上を見たカルルは溜め息をこぼす様に感想を口にする。父親はその言葉に満足したのか、優しく癖のないカルルの頭を撫でる。





(ぼくね、とうさんのにんぎょうだいすき)




無邪気にそう言った少年はの瞳は、今憎悪と疑問に満ち溢れてその父を追っている。



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母親代わりの姉さんでは満たせない何かがあると思うんですっていう妄想







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