名も無き咎追いの呟き
『英雄』とは本来讃えられるべき者に与えられる肩書きだが、それが皮肉にしか思えなかった。
「イカルガの英雄、か」
ぽつりと呟く。
まさかその様に呼ばれる様になると思っていなかった。
あの先輩や先輩はどうなんだろうか、やっぱり何か重要な役職に就いてたりするのだろうか。
「姉さん、みんな、僕達の障害になっちゃうね」
「困ったなぁ」と姉に語りかけるが、その表情は笑顔のままで、それが崩れる事は無かった。
『英雄』なんて呼ばれて組織に飼い殺しにされるなんて御免だ。それなら野良でのたれ死んだ方が何倍もマシな話だ。
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ひねくれたカルルの話