下忍Aの考察




俺の名前は…この場では特に必要ないので省略する。下忍Aとでもしておこうか。では誰の話をするのかというと今日同じ任務に行って帰ってきた同じ里の下忍、日向ネジについてだ。

「今日も疲れたなあ」

木の葉崩し以来、従来の班編成を崩し他の班の奴と組む機会が増えた。今回は同じ下忍の日向ネジと上忍のスリーマンセル。日向は最初は無口でつまらなそうな奴だと思っていたが三日間の任務でなかなか面白みのある奴だとなんとなく感じるように思うようになっていた。そんな日向と任務を終え里に戻ると上忍は報告をしてくると先に行ってしまった。そしてふうと一息つきながら帰路を歩いていたとき。

「テンテン…?」

ぽつりと隣を歩いていた日向が誰かの名前を呟いた。テンテン?誰だそれは。立ち止まり林のほうへ目を向けた日向の視線を追ってみるとその先には練習所だろうか。飛び道具の修行をする際に使う的の近くにお団子頭のくノ一が立っていた。…もしかして彼女か?

「何あの子。知り合い?なかなか可愛いんじゃないか」

からかい口調でポンとその肩に手を置くが肝心の日向はじっとそのテンテンに目を向けて離さない。つられて俺も再度彼女に目を向ける。するとそのときだ。

「グス」

修行で汚れたのだろう傷ついた腕で目元をごしごしと拭った。…ここからは少し距離があって見えないがあれはきっと、泣いているのだろう。

「…行かなくていいの?」

あれ。と日向に問いかけるがその表情は変わらず無表情。何なんだろうかこの二人の関係性は。どうやら彼女というわけではないらしい。何なんだろうなあ、と他人事のように、いや実際に他人なんだけどそんな具合で日向の隣で彼女の立ち姿をぼうっと見つめる。すると漸く隣の男が口を開く。

「…俺は以前まで同じ班のくノ一でずっとやってきたあいつは他のチャラついている奴らとは違うと思っていた」

あ、同じ班なのか。ひとりで解決する。

「何かあるとすぐに泣いたり弱音を吐いたりとするくノ一とは違って強さがあったからだ」

人前で泣けないタイプ。ああ確かにそんな感じかもしれない。というかそういうタイプの子じゃないとこの日向と同じ班はやっていけない気がする。しかしそんな彼女が今まさに泣いている。その光景をじっと見つめる日向。その真意は三日ばかりの付き合いである俺には読み取れない。

「それで、失望した?」

泣いてる暇があるなら修行しろ。この男はそんなことを言いそうだ。メソメソ泣くようなタイプではないと思っていた彼女が今、泣いている。だから失望だろうか?試すように、好奇心のまま、彼女を見る日向にじっと目を向ける。するとやはり読み取れないが変わらぬ表情で日向が一言。

「いや」

否定。そして数秒程そのまま肩を震わせて泣く彼女を見ていた日向は次に目を閉じ「ふ」と笑って踵を翻した。

「やはり、強いよ」

スタスタと彼女に背を向け遠ざかって行く日向。おいおい声掛けなくて良いのかよ。日向を追い掛けながらチラリと振り返ると先程までしゃがみ込んで泣いていた彼女はゆっくりと立ち上がりそして落ちていたクナイを手にしていた。
…慰めも助けも必要ないというところか。そんなもの求めていないとそういうことなのだろうか。三日ばかりの付き合いの男と今初めて存在を知った女。そんな二人の関係性はやはり良く分からないが、きっと…

「なあ日向んとこのあとの班員はどんな奴?」
「…熱血オカッパ二人」
「ぷっ、何だそれ」

詳しくは分からないがきっと、上手くやれているのだろう。でなければこんな表情なんか出来る筈もない。

「そうか、だから日向は面白いわけだ」

不可解という顔をした日向に俺は笑う以外それ以上何も言わなかった。
以上が下忍Aから言わせてもらう日向ネジとそのチームメートの考察である。いや、でも案外上手くいくと思うけどね。男女的にも。

20140326

3歳リクエストより

下忍Aの考察




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