恋愛論〜レンアイロジック〜



俺の人生に光を差したのは、とても綺麗で儚い愛しい人



俺は物心ついたときから日常的に人を殺していた。残酷で残虐、侮蔑と嫌悪を込めて畏れられる殺人鬼。
そんな俺にも家賊以外に大切な人が出来た。
彼は優しくて儚くて綺麗で可愛い、俺の愛しい人。
『暁サン、作ったんだ……食べてみて?』
俺は手作りのクッキーを差し出す。このクッキーは昨夜手作りしたものだ。
夏林サンに教えて貰いながら、十数回も作り直した。
「へぇ……ありがとう」
暁サンはモテる。凄く凄くモテる。だから……俺くらいの収入では何も気の利いたプレゼントが渡せない。
試行錯誤の結果、このクッキーを渡すことにした。
「いただきます」
暁サンは一枚口に入れた。
モグモグとクッキーを頬張る。
『おいしい?』
無言で何枚も食べてくれる暁サン。
俺は上機嫌で暁サンに問うた。
「美味しくはないよ……不味くもないけど」
え……。
俺は慌てて一枚を口に放り込んだ。
……味がない。
美味しくない……むしろ不味い分類だ。
ボソボソとした無味無臭の生地がバターの油で程よく舌に絡む。
壊滅的な迄に不味い。
『ごめん……食べないで』
俺は慌てて取り上げようとした。
「ダメ!これは俺が貰ったの!」
『そんな不味いもの食べさせられないよ!……Σあ』
暁サンは残りを全て口に入れてしまった。
ハムスターみたいでかわいい……じゃなくて、なんてことだ。
俺は暁サンの肩を掴んで揺する。
『そんなまずいもの吐いて!ぺってしなさい!』
ゴクリと音を立てて飲み込まれてしまった。
『暁サンッ……』
「飲んじゃったからもう出せないよ」
俺は項垂れる。
最愛の人によりにもよって、あんな不味い物を食べさせるなんて……。
『ごめんね……』
「許す代わりに……一番美味しく出来たのは一番に俺に渡してね?それまで付き合ってあげるからさ」
『暁サンッ!!』
俺は暁サンの華奢な身体を抱き締めた。
「……もう苦しいよ」
暁サンは笑いながら俺の頭を撫でる。
『愛してる……暁』
耳元で囁けば暁サンは真っ赤になってしまった。
「ッ〜〜///ばかぁぁぁ!!!」


恋愛論〜レンアイロジック〜
ちくしょう
かわいすぎるじゃないか
くぅ…この二人組みが一番好きかもしれない


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