似た者同士程似てないって否定するよね



「なんかさぁ……ニャンコサンと春姫ってキャラ被ってるよね」

きっかけは闇識のこのたった一言だった。




似た者同士程似てないって否定するよね



闇識は今日も口喧嘩をする春姫とニャンコに唐突に告げた。
その言葉に驚いたのか、二人とも喧嘩そっちのけで顔を見合わせて闇識に詰め寄る。
「「どういう意味だよ!!」」
見事にハモった。こうなってくると闇識の言ったわけが判らないでもない。
「別に……意味なんて無いよ。只そう思ったから言っただけ」
闇識は鬼の形相で詰め寄る二人に涼しい微笑を浮かべて軽くあしらった。
「「だったら今すぐ訂正しろ!!」」
「うるさいねぇ……今度チョコを食べる邪魔したら……」
殺すよ?
闇識はそう告げるとパキリと軽快な音を立ててチョコを噛み砕いた。
まぁ、わかっていたことだが、闇識の中では俺等<チョコだからな……。
闇識の言葉に二人は顔を青くさせ、いそいそとその場を離れた。
確かにこうやって見比べると春姫とニャンコは似ている。
見た目なら白銀の髪や色白の肌とか、高い背。内面なら俺様な癖に闇識には滅法弱いとこ、あと意地悪なところが似ている。
言われてみるまで気付か無いもんだなぁと思って、その日は過ぎていった。


それから暫くして、俺たちは異変に気付いた。
毎日喧嘩していたニャンコと春姫が喧嘩していない。
大方、闇識に言われたことを意識してしまった結果だろう。
俺たちはどぎまぎと成り行きを見守っていた。
「や、やぁニャンコサン……?」
「な、なんだい春姫君?」
……はっきり言って気持ちわるい。
「……気持ち悪い」
ボソリと呟いた言葉が気まずい夕食の場を凍らせる。
声を発した当人は、チョコの銀紙を噛んで引き裂いた。
「僕の言葉には何の影響力も無いんだよ?」
白々しくも原因を作った闇識が二人を咎める。
「二人が無理してキャラ変えてもさ……僕が家族にしたい二人は二人なんだから……そのままが良いよ?」
「「闇識……」」
闇識の言葉に二人はすがすがしい顔に変わる。肩の荷が下りたようだ。
闇識にしては気が利いていると思う。しかし、俺は気づいてしまった。
二人の背後で夏林がカンペを見せているのを……。


こうして夏林の計らいにより、家に平和が戻った……?
「ニャンコォォォォ!俺のおやつ食ったな!」
「知らんのぉ」
「……うるさい」
「「……悪い……」」





似た者同士程似てないって否定するよね

響「にゃんにゃんと春姫…ぁ、似てる!」
倖「言われてみると…でもやっぱり」
響・倖「春姫(ニャンコサン)のほうがかっこいい(です)」


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